
ソウル:韓国軍は、北朝鮮が26日午前5時半(日本時間同)ごろ、平壌から日本海に弾道ミサイルを発射し、失敗したと推定されると発表した。防衛省によると、弾道ミサイルは最高高度100キロ程度で、200キロ以上飛行し、日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられる。
韓国軍関係者は「北朝鮮が発射したミサイルは日本海上で空中爆発した」と記者団に語った。さらに「固体燃料式の極超音速ミサイルの試験を行ったと推測している」と説明した。北朝鮮による弾道ミサイル発射は5月30日以来。
北朝鮮は米原子力空母「セオドア・ルーズベルト」が今月22日、韓国南部釜山に入港したことに反発しており、これをけん制したもようだ。北朝鮮のキム・ガンイル国防次官は24日の談話で「米韓の挑発に対して新たな抑止力誇示で対抗する可能性がある」と主張していた。
岸田文雄首相は情報収集に全力を挙げ、不測の事態に備えるよう指示した。航空機・船舶などへの被害は報告されていない。日本政府は「国連安全保障理事会決議に違反し、国民の安全に関わる重大な問題だ」と発射を批判。北朝鮮に対し、厳重に抗議した。
日米韓3カ国の北朝鮮担当高官はミサイル発射を受け電話協議を行った。3者は「地域や国際社会の平和と安定を脅かすものだ」と発射を非難し、緊密な連携を確認した。
時事通信