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日本の政界で徐々に台頭する女性たち、しかし深い課題に直面

2024年7月7日(日)、東京都知事選挙で当選し、演説する現職の小池百合子都知事。(AP)
2024年7月7日(日)、東京都知事選挙で当選し、演説する現職の小池百合子都知事。(AP)
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09 Jul 2024 04:07:59 GMT9
09 Jul 2024 04:07:59 GMT9
  • 東京都議会では女性が約3割を占め、都市部の町議会でも女性の存在感が増している

東京:8年前、小池百合子氏は前任者の男性を破り、女性初の東京都知事となった。彼女は日曜日、知事として3期目の当選を果たしたが、彼女の最も近いライバルのひとりは女性だった。

世界男女平等ランキングで最低の位置にある日本では、複数の女性が政界トップの座を争うことはまだ珍しいが、小池氏の勝利は、強力な女性政治家が徐々に増え、政治におけるジェンダー・バランスに寛容な社会になっていることを浮き彫りにしている。とはいえ、最終的に女性が首相になったとしても、日本の政治はまだ圧倒的に男性が支配しており、代表を均等化するためには大きな努力が必要だと専門家は見ている。

野党第一党の立憲民主党幹部で国会議員の西村智奈美氏は、「政治において女性がより大きな役割を果たすことへの期待が高まっている」と語る。「政治や議会は、まだまだ男性の仕事と考えられていますが、女性が存在感を示し、声を届けることは非常に意義のあることです」

東京都知事選で当選し、喜ぶ現職の小池百合子都知事(2024年7月7日、日曜日)。(AP)

野党の男女共同参画推進チームの責任者でもある西村氏は、次の国政選挙で同党の候補者に占める女性の割合を30%にしたいと考えている。岸田文雄首相の保守的な自民党は昨年、10年以内に女性議員比率を30%にすると宣言し、女性候補者の登用に取り組んでいる。

しかし、意欲的な女性候補者を見つけるのは容易ではない。日本では、女性は育児や高齢者介護など家庭の責任を担うことがまだしばしば期待されている。

また、国会議員は東京と選挙区を定期的に往復することが求められるため、キャリアと家庭の両立を目指す女性議員にとっては特に難しい。西村氏によれば、かつて同僚だった女性議員たちは、そうした事情のために国政を辞め、地方議会に戻っていったという。

西村氏は1999年、故郷の新潟県議会で数十年ぶりの女性議員として政治家としてのキャリアをスタートさせた。現在53人いる県議会には5人の女性がいる。

現在、政治家としてのキャリアを求める女性の数は増えているが、まだ少数派である。特に国政においては、選挙での決定は主に閉鎖的で男性優位の政党政治によって決定され、発言力のある女性は標的にされがちである。

小池氏の最有力ライバルの一人は女性で、蓮舫氏はベテランの元国会議員。

蓮舫氏は先月、記者団に対し、都知事選に関する見出しで “女の戦い “と謳われているのをよく目にしたと語った。「男性候補者同士の争いを表現するのに、そんな表現を使うのでしょうか」と彼女は尋ねた。

スタイリッシュでメディア慣れした元テレビキャスターの小池氏は、1992年に40歳で国会議員に初当選した。長く与党だった自民党の環境大臣や防衛庁長官など、内閣の要職を歴任し、2016年に都知事に就任した。

国会での鋭い質問で知られる蓮舫氏は、日本人の母と台湾人の父の間に生まれた。元モデルでキャスターだった彼女は、2004年に国会議員に当選し、今はなき民主党政権で行政改革担当大臣を務めた。

蓮舫氏の攻撃的なイメージに対する批判は、女性候補者に「母性的であるか、かわいらしいか」を期待する社会におけるジェンダー・バイアスの明確な例であると、毎日新聞論説委員で政治評論家の佐藤 千矢子氏は述べた。

政界では女性の存在感が薄いため、力のある女性が過剰に注目される傾向がある。上智大学教授でジェンダーと政治の専門家である三浦まり氏は、東京都知事選における彼女たちの存在は「女性が政治リーダーになれるというポジティブなメッセージを伝えたが、彼女たちが騒がれることの多くは、日本の悲しい現実も反映している」と指摘する。

例えば、ある市民団体が2022年に国・地方議員を対象に行った調査では、約100人の女性回答者のうち3分の1が選挙運動中や仕事中にセクハラに遭っていた。

今年初めには、失言の多い麻生太郎元首相が、女性の上川陽子外相を「能力はあるが美しくない」と表現して謝罪に追い込まれた。

東京都議会では女性が約30%を占め、都市部の町議会でも女性の存在感が増している。日本の1,740以上の地方議会における女性の割合は、平均すると2021年には14.5%となり、20年前の2倍になる。

政治にもっと女性の声を、という声が高まっているのだ。

しかし、内閣府男女共同参画局によれば、伝統的な性別役割分担がより一般的な地方では、昨年「女性ゼロ」の議会が226、全体の13%を占めた。

ジュネーブに本部を置く列国議会同盟(Inter-Parliamentary Union)が4月に発表した報告書によれば、第二次世界大戦後、保守的な自民党がほとんど途切れることなく政権を担ってきた国会では、衆議院における女性の割合は10.3%で、190カ国中163位である。

男女共同参画局によれば、1946年に39人の女性が初めて国会議員に選出された時、この数字は8.4%とさほど変わらなかった。

佐藤氏は、「地方政治から変化はあったが、ペースが遅すぎる」と述べ、女性議員定数の義務化を提案した。

約20人の閣僚の中に女性が1人というのは、1990年代には標準的なことだった。最近は2人が普通だ。年功序列の女性閣僚が不足しているため、女性閣僚の数を増やすことは難しい。また、女性に与えられるリーダーシップの機会も限られているため、男女平等の法律や政策が遅れている。

「リーダーシップの交代がないため、日本では新陳代謝が悪い。そのため、世論が変わっても政治は変わらないのです」と三浦氏は語った。

小池氏は2008年、自民党の党首選に立候補した初の女性候補となった。他の2人、高市早苗と野田聖子の両氏は2021年に岸田首相に対抗して出馬した。

直近では上川外相にチャンスがあると見られている。支持率の低下と汚職スキャンダルに苦しむ自民党が変化を求めているからだ。

自民党議員や党員の投票によって決まった勝者が自動的に首相になる。

しかし日本の制度では、男性の政治的影響力が圧倒的に強いため、女性首相が誕生したからといって男女平等が進むとは限らない。しかし、たとえ象徴的なものであったとしても、重要な前進となる可能性はあると政治評論家の佐藤氏は言う。

「男女平等を示し、女性もトップの座を目指せることを示すには、ロールモデルを持つことが非常に重要です」と佐藤氏。「政界の女性たちは、もはや壁の花になることを期待されていないのです」

AP

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