北京:柘植芳文外務副大臣は23日、北京で中国外務省の孫衛東次官と会談し、中国南部・広東省深セン市で日本人学校に登校中の日本人男児が男に刃物で切り付けられて死亡した事件を巡り、在留邦人の安全確保を要請した。動機を含む一刻も早い事件の真相解明なども求めた。
会談で柘植氏は、再発防止の観点から、中国のSNS上にある根拠のない悪質で反日的な投稿についても取り締まりを徹底するよう求めた。中国にある日本人学校について、安全確保のための情報交換や通学時の対応などを日中が協力して実施していくことの必要性も強調した。
孫氏は、事件について改めて「遺憾と痛惜の意」を表明。遺族に必要な支援を行うほか、日本人を含む外国人の安全確保を図る意向を示したという。
事件は18日朝に発生。男児は病院に搬送され治療を受けたが、19日未明に死亡した。男は現場で警察関係者に身柄を拘束された。
男は定職についておらず、過去に2度、警察沙汰を起こしたことがあったという。事件の動機は明らかになっていないが、中国外務省や地元政府は「個別の事案」「偶発的な事件」としている。
時事通信