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エネルギー大臣:アラムコのIPOのタイミングは「サウジアラビアが決定する」

リヤドで開催中のFIIで演説するサウジアラビアのエネルギー大臣アブドゥル・アジズ・ビン・サルマーン王子。(SPA)
リヤドで開催中のFIIで演説するサウジアラビアのエネルギー大臣アブドゥル・アジズ・ビン・サルマーン王子。(SPA)
31 Oct 2019 06:10:23 GMT9

フランク・ケイン、リヤド

  • FIIに出席中の銀行系情報筋によれば、12月上旬に予定されているサウジアラビア証券取引所(タダウル)への上場を待たずに、数日以内にIPOが行われる可能性がある。
  • 現在サウジアラビアでは、世界最大の二酸化炭素回収・利用プラントが稼働している。

間近に迫っているサウジアラムコのIPOのタイミングはサウジアラビアが判断すると、エネルギー大臣を務めるアブドゥル・アジズ・ビン・サルマーン王子がリヤドで開催中の未来投資イニシアチブ(FII)の出席者に対して語った。

「アラムコのIPOは近日に迫っています。最適なタイミング・最適なチャンスを見計らい、サウジアラビアが最適な決定を行います。より正確には、ムハンマド皇太子がその決断を下します」と同大臣は説明した。ムハンマド皇太子とはムハンマド・ビン・サルマーン皇太子のことである。

FIIに出席中の銀行系情報筋によれば、12月上旬に予定されているサウジアラビア証券取引所(タダウル)への上場を待たずに、数日以内にIPOが行われる可能性がある。

同大臣のコメントは、エネルギーの未来を話し合うFIIのセッションで発表されたものだ。同セッションではさらに、サウジアラビアと世界の持続可能な成長のために「循環型炭素経済」の構築を目指す施策も、同大臣から発表された。

同大臣はFIIの出席者に対し、サウジアラビアは世界のエネルギー産業で大きな役割を担っているため、気候変動に関する議論を受けて重要性が増している持続可能な経済成長の問題の解決策を見つける上でも、重要な位置を占めることになると語った。

「私たちが中心的な役割を果たしていることに鑑みて、技術革新やコラボレーションを通して持続可能な成長の枠組みを打ち立てるための解決策を見いだすのは私たちの責任です」と同大臣は述べた。

「経済システムの持続可能性を高めるには、包括的で実践的なアプローチが必要です」

世界が移行していかなければならない循環型炭素社会とは、「4R」ルール、つまり削減(Reduce)、再利用(Reuse)、再生(Recycle)、及び除去(Remove)を用いて化石燃料からの温室効果ガス排出量を減らす新たなアプローチをベースにしている。

「自然界の二酸化炭素循環にかなり近いこのような閉鎖型のシステムであれば、炭素循環のバランスを復元できるでしょう」と同大臣は述べた。

「持続可能な発展の問題に対してこのような新たな解決策を選択すれば、大気中に二酸化炭素が蓄積するのを防ぐ全ての選択肢を尊重し全ての努力を促進できます。同時に、世界経済の成長も促進できます」と同大臣は付け加えた。

「この包括的モデルを採用することは極めて重要です。なぜなら、確かに再生可能エネルギーは重要ですし、再生可能エネルギー分野では近年大きな前進が見られていますが、再生可能エネルギーと削減だけでは、世界の二酸化炭素の『排出と吸収』の均衡を保つことはできないと、多くの分析で示唆されているからです」と同大臣は説明した。

「世界で消費されるエネルギーの多くは、脱炭素化が難しい分野で使われています。例えば暖房、産業プロセス、及び輸送などです。そのため、カーボンバランスを達成するにあたり、そこから化石燃料を全くなくすということはできないのです。なくせないものの、そうした排出源からの二酸化炭素を管理していく必要があります」

サウジアラビアでは、循環型炭素経済を実現するための施策の一環として、エネルギー分野でいくつかのイニシアチブが進行中だと同大臣は述べた。

サウジアラビアのエネルギーに対する新たなアプローチの例として、ビル及び石油化学産業におけるエネルギー効率化プログラム、及び車両の効率化とエネルギー資源の価格設定の見直しが挙げられる。

またサウジアラビアで進行中の二酸化炭素回収計画をさらに前進させる動きもある。現在サウジアラビアでは、世界最大の二酸化炭素回収・利用プラントが稼働しており、年間50万トンの二酸化炭素が肥料やメタノールなどの製品に生まれ変わっている。

「循環型炭素経済を実現するにあたり、その一環として、自然界に根ざした解決策が二酸化炭素の除去法として大きな役割を担うことになると考えています」と同大臣は述べた。

「その認識のもと私たちは、紅海とアラビア湾の両方で、マングローブ林やプランテーション、海草藻場、及びサンゴ礁の拡大などの活動を通して、目的の達成を目指しています」

このサウジアラビアのイニシアチブは、アメリカ合衆国エネルギー長官のリック・ペリー氏やサウジアラビアの公的投資基金の顧問を務めるアンドリュー・リバリス氏など、FIIに参加した数人の著名なパネリストからの支持を得た。

ペリー長官は、地元テキサス州は、二酸化炭素排出量削減のために、風力発電と天然ガスに多額の投資を行ったと説明した。

リバリス氏は、「持続可能性と循環型経済は、ビジネスチャンスとして捉えるべきです」と述べた。

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