
東京:広島の原爆で被爆し、数十年後にバラク・オバマ氏が広島を訪問した際に抱きしめられた日本人男性は、金曜日のノーベル平和賞が核廃絶に焦点を当てるのに役立つことを期待していると語った。
ノルウェー・ノーベル委員会は、核兵器の危険性を世界に警告し、広島と長崎という核攻撃を受けた唯一の2都市で引き起こされた苦しみの証人となる活動を行ってきたとして、被爆者団体「日本被団協」にノーベル平和賞を授与した。
この受賞は、1945年8月の米国による原爆投下から80周年を迎える1年前に発表された。この原爆投下により、日本は第二次世界大戦で降伏した。
広島が原爆で壊滅した当時8歳だった森重昭氏は、2016年にオバマ氏が原爆慰霊碑を訪問した際に抱擁された。この瞬間は、その訪問の象徴的な画像となった。
ロイターの取材に対し、ノーベル平和賞受賞が非核化問題への関心を高めることになると思うかと尋ねられた森さんは、80歳を超えた今も「はい」とだけ答えた。
取材依頼の電話が殺到しているため、それ以上のコメントは避けた。
昨年、ロイターとのインタビューで、森さんは爆風で気を失ったと語った。意識が戻ると、自分の内臓を抱えながら近くの病院を尋ねている女性を目にした。
大人になってから、森さんは、自分の学校の運動場で何人の犠牲者が火葬されたのかを突き止めるために、数十年にわたる調査を始めた。森さんの調査により、原爆で亡くなった12人の米国人についても身元が判明した。
オバマ元大統領は広島を訪問した際、「歴史の目を見つめる共通の責任」について語り、演説の中で森さんの調査を称賛した。オバマ元大統領は、多くの日本人が長らく求めている原爆投下に対する直接的な謝罪の表現を避けた。
高齢で数が減りつつある多くの被爆者は、広島と長崎での出来事を単なる歴史の一瞬ではなく、変化を求める呼びかけとしてとらえ、その遺産を生き続けさせようとしてきた。
その呼びかけは共感を呼んでいるようだ。ノルウェー・ノーベル委員会の議長であるヨーゲン・ワトネ・フリドネス氏は、核保有国は核兵器の使用を考えるべきではないと警告した。
森氏は昨年、ロイター通信の取材に対し、核軍縮への期待を込めて「すべてが夢物語で終わってほしくない」と語った。
ロイター