ノルウェーのノーベル委員会は10月11日、1945年の広島・長崎への原爆投下の被爆者を代表する日本の団体「日本被団協」が2024年にノーベル平和賞を受賞すると発表した。
朝日新聞社はそのフォローアップとして、読者を対象に「戦争について議論することがあるか」というアンケートを実施。11月9日に発表された結果は、2,546人の有効回答から得られ、「ある」と答えた人が「ない」と答えた人を67%対33%で上回った。
「ある」と答えた読者にその理由を尋ねたところ、1,090人が「現在の戦争を懸念している」と答えた。次いで、「戦争は避けるべきもの」(994件)、「平和や国際問題全般への懸念」(601件)、「誤った情報を流さないため」(591件)、「不安が高まる」(563件)、「日本が巻き込まれそうな状況の変化」(547件)、「日本の軍国主義化が進むことへの懸念」(473件)と続いた。
「ない」と回答をした人の理由としては、「深刻な話題について話し合うのは難しい」(307件)、「話し合える相手がいない」(252件)、「戦争の話題に詳しい知り合いがいない」(177件)、「本や新聞、ニュースソースの内容に満足している」(121件)、「扱うのが難しい話題」(114件)、「戦争は遠いところの出来事のように思える」(113件)、「海外の状況を理解するのが難しい」(75件)などが挙げられた。
次に、「ある」と答えた人に、特にどの戦争について論じるかを尋ねたところ、ロシア/ウクライナが1,258件、次いでイスラエル/ガザ(1,059件)、太平洋戦争(853件)、第2次世界大戦(725件)、沖縄戦(479件)、日中戦争(332件)、ベトナム戦争(249件)と続いた。
また、戦争に関する情報をどこで得るかという質問には、回答者の多い順に、テレビ(2,063件)、新聞(1,954件)、映画・ドラマ(865件)、本(807件)、戦争記念館(677件)、インターネットニュース(642件)、戦争体験者の話を聞く(589件)となった。
戦争を防ぐために、あなた自身ができると思うことはありますか?という質問に対して、32%が肯定的、25%が否定的、43%がわからないと答えた。
「101歳まで生きた祖父は、よく戦争の話をしていました」と神奈川県に住む28歳の女性はコメントした。「世界が戦争の炎に包まれている今、祖父が戦争に絶対反対だったことを強く覚えています」
「戦争は絶対に起きてはいけないことですが、起きてしまうとどうすることもできないのが悲しい。」(山口県•女性•43歳)
「イスラエルによる攻撃でガザの子どもたちが亡くなったと聞くと、胸が痛む。なぜこのような非人道的な戦争が許されているのか考えるが、話し合える相手もいない。」(石川県•男性•50歳)
「小学校6年生の娘が、『私、大人になるまで生きられるのかな。日本が戦争に巻き込まれるかもしれない』と言っていました。子供にこんなことを言わせる国に日本がなってしまうとは思わなかった。」(東京都・女性・54歳)
「世界情勢が変化するなか、強化すべきは軍事力ではなく外交力だ」と東京都の男性(56歳)
群馬県の女性(73歳)は、国民ができることのひとつに 「政治家を監視すること」を挙げた。
宮城県の男性(65歳)は、「戦争があれば明るい未来は築けないと、次の世代、そしてその次の世代に静かに伝えることが、私たちにできることです」と書いた。