世界文化遺産に登録された新潟県佐渡市の「佐渡島(さど)の金山」を巡り、韓国政府は25日午前、朝鮮半島出身労働者がかつて暮らした同市の「第四相愛寮」跡地で、独自の追悼行事を執り行った。朴※(※吉を2つ横並び)熙駐日大使や遺族9人ら約30人が黙とうをささげ、花を手向けた。
朴氏は「佐渡鉱山(金山)の歴史の裏には韓国人労働者の涙と犠牲があったことを私たちは永遠に忘れない」とあいさつ。「つらい歴史が記憶され続けるよう韓日両国が心を込めて努力していかなくてはならない」と訴えた。
日本の実行委員会は24日、朝鮮半島出身者を含む全ての労働者の追悼式を初めて開催し、日本政府から生稲晃子外務政務官が出席した。韓国側は予定していた参加を急きょ見送り。生稲氏が過去に靖国神社へ参拝していたと報道されたことを問題視したとみられ、最近の良好な日韓関係に冷や水を浴びせた格好になった。
韓国メディアは、生稲氏の追悼式でのあいさつについても「強制」の表現がなかったと反発している。
佐渡金山に関し、韓国政府は朝鮮半島出身労働者の「強制労働の現場だ」と主張。日本政府が7月の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会で「全ての労働者のための追悼行事」を毎年現地で執り行うなどと表明し、韓国政府も登録容認に転じた経緯がある。
時事通信