• 「シリア政府は内戦解決の努力を一切していない」とEU外相

ゴブラン・ムハンマド

カイロ：ジョセップ・ボレル欧州連合外務・安全保障政策上級代表（外相に相当）によると、欧州連合（EU）は、シリアのアラブ連盟への復帰を理由に、今週開催される予定だったアラブ連盟との閣僚会合を延期した。

ボレル上級代表は、シリア政府が「内戦解決に向けた実質的な努力」を一切していないにもかかわらず、シリアがアラブ連盟への復帰が認められたと述べた。

しかし同時に、EUはアラブ連盟との関係強化に熱心であることを強調した。

ボレル上級代表の発言は、18日に行われた、アフマド・アブルゲイト・アラブ連盟事務総長との会談後の共同記者会見で行われた。

同上級代表は、アラブ連盟はEUの重要なパートナーであり、EU政府は長年にわたり、テロ、人権、和平プロセスなどの重要な問題においてアラブ連盟と協力関係にあると述べた。

しかし、「アラブ連盟と欧州連合との閣僚会合は今週開催される予定だったが、シリアのアラブ連盟への復帰を理由に、会合の延期が決まった」と述べた。

そして、「シリアの連盟復帰は最高機関による決定であり、我々はその決定を尊重する。ただし、シリア政府が内戦状態を緩和するための努力を行っていない中で、この決定が下されたことを指摘しておく」と続けた。

アラブ連盟は5月、シリアの連盟復帰を認め、10年以上にわたる資格停止を終了し、長年にわたり孤立状態だったバッシャール・アサド大統領をアラブ陣営に復帰させた。

ボレル上級代表は、シリア政府が国連決議、特に安全保障理事会決議第2254号の履行において進展がない限り、EUの立場は変わらないと述べた。

同上級代表は、EUの要請により、EUとアラブ連盟は閣僚会合の延期を決定したと述べた。

「しかし同時に、EUがアラブ連盟との関係と対話を深めたいと望んでいることを主張するために、私は本日こちらに訪れた」と語った。

ボレル上級代表はアブルゲイト事務総長との協議について、次のように述べた。「我々は中東の和平プロセスの状況と次の段階について話し合った」

「我々は新たな瞬間を生み出すために協力を続けており、この点において、アラブ連盟と（現在のアラブ連盟サミットの議長国という立場の）サウジアラビアとも協力しており、前進して効果的な段階に到達したいと願っている」

スーダンについて、ボレル上級代表は次のように述べた。「我々はスーダンの状況の情勢について話し合い、サウジ政府の取り組みの結果や、停戦が実施されたことを歓迎した」

そして、次のように述べた。「我々はロシアによるウクライナ攻撃の悪影響について話し合った。この危機が、まずウクライナ国民に大きな影響を及ぼし、500万人が避難民となり、その内400万人をEU諸国が受け入れている」。

「この危機はエネルギーと食糧安全保障にも影響があり、アラブ世界にまで影響が及んでいる」。

同上級代表は、EUは約3000万トンのウクライナ産穀物の輸出を促進するための資金提供や支援を通じて、世界の食糧安全保障を確保する取り組みを支援していると述べた。

EUはウクライナのヴォロディーミル・ゼレンスキー大統領が提案した10項目からなる和平案を支持していると、同上級代表は述べた。

アブルゲイト事務総長は、共通の利益となるあらゆる分野でアラブ連盟とEUとの間で関係を強化する必要性について、ボレル上級代表に同意したと述べた。

一方、エジプトのサーメハ・シュクリ外相は、エジプトとEUとの拡大した関係やパートナーシップの重要性を強調した。

エジプト外相の声明は、カイロにおけるボレル上級代表との会談後に発表された。

シュクリ外相は会談において二国間関係について、そしてパレスチナ問題、スーダン、リビア、地中海東部の情勢、移民など共通の関心でもある地域問題にも触れたと述べた。

同外相は、EUと欧州委員会は、開発、安全保障、移民のいずれの面でもエジプトに多大な支援を行っていると述べ、約20年前から始まったパートナーシップ協定が重要な利益をもたらしていると付け加えた。

ボレル上級代表はエジプト政府との関係を「EUにとって戦略的に重要」だと説明した。

同上級代表は、再生可能エネルギーにおいて、エジプトはEUの重要なパートナーであると述べた。

「我々はこの分野での理解と調整を最高レベルにまで引き上げるために、共同協力の裾野を広げて、課題の克服を目指す」と、同上級代表は述べた。

スーダンについて、ボレル上級代表は次のように述べた。「エジプトはこの危機の間、20万人以上のスーダン難民を受け入れた」

同上級代表は、EUはエジプト国境近辺にいるスーダン難民の要請に応えるために、2000万ユーロ（8200万サウジリヤル）相当の緊急支援を提供する予定であると述べた。