イスタンブール:トルコ与党の報道官は19日、キプロスにおける道路建設を妨害したとして国連平和維持軍を非難し、その姿勢は「容認できない」「極めて誤った」ものだと反発した。この道路建設は同国を二分する緩衝地帯で行われており、物議を醸している。
国際的に承認されているキプロス共和国(南側)とトルコ系キプロス人の分離小国である北キプロス・トルコ共和国(北側)の間の国連管理下の緩衝地帯にある、異なる民族が共存する村ピラで18日、キプロス駐留トルコ軍と国連キプロス平和維持軍との対立が発生した。
国連キプロスミッションは、ギリシャ系とトルコ系の住民が共存している唯一の村であるピラの近くで行われていた「未承認の建設作業」を平和維持軍が中止させようとしたところ攻撃を受けたと述べた。
トルコの与党である公正発展党(AKP)のオメル・チェリック報道官は、この道路建設を擁護するとともに、国連平和維持軍の姿勢は「容認できない」ものだと非難した。
同報道官はX(旧ツイッター)で次のように述べた。「キプロスで活動している国連平和維持軍の姿勢(…)は容認できない、極めて誤ったものだ」
また、その姿勢は「キプロス共和国側を満足させることを狙った」ものであり、国連キプロスミッションの「名声を傷付けた」と指摘した。
トルコのみが承認している自称国家である北キプロス・トルコ共和国(TRNC)の当局は、国連ミッションの主張は「根拠がない」ものだと切り捨てた。
また、このプロジェクトにはピラに住む「トルコ系住民のTRNC領土へのアクセス改善」という「人道目的」があると主張した。
チェリック報道官は19日、トルコはTRNCを「全面的に支持する」としたうえで、トルコ系住民を平等に扱うよう国連ミッションに求めた。
1974年に当時のギリシャの軍事政権が支援するキプロスの軍事クーデターを受けてトルコ軍が北部3分の1を占領して以来、この国は分断されている。
AFP