
東京:東京都内の病院が月曜日、親が育てられない新生児を匿名で安全に預けられるシステムを導入した。
いわゆる「赤ちゃんポスト」や「赤ちゃん用ハッチ」は、世界中で何世紀にもわたって使われており、児童遺棄や児童虐待を防止することを目的としている。
しかし、親を知る子供の権利を侵害するという批判もある。また、中絶反対派の活動家からは、自暴自棄になった母親への解決策であると評されることもある。
東京にあるキリスト教系財団「慈恵会」が運営する病院では、生後4週間以内の新生児を、目立たない入口のある静かな部屋のバスケットに入れることができるようになった。
この制度は24時間対応で、赤ちゃんの命を救うための「緊急時の最終手段」であると、加藤均氏(産婦人科病院の院長)は記者会見で述べた。
「手荷物預かり所や公園、ビーチに乳児を置き去りにする」という事例を挙げ、「行き場のない母親と赤ちゃんは依然として存在する」と病院側は声明で述べた。
赤ちゃんポストを設置した医療機関は、2007年に南西日本の熊本でカトリック系の慈恵病院が設置して以来、全国で2番目となる。
慈恵病院の赤ちゃんポストには、昨年5月までに179人の乳幼児が預けられたと報告されている。
東京の慈恵病院では、赤ちゃんがバスケットに入れられると、すぐにモーションセンサーが病院スタッフに知らせ、スタッフは赤ちゃんの世話をしに急いで階下に駆け下りる、とプロジェクトリーダーの大江浩氏はAFPに語った。
赤ちゃんの安全を確認した後、病院は当局と協力し、里親や児童施設など「最善の」次のステップを決定する手助けをする。
赤ん坊を置き去りにした人物が病院周辺にいるのが目撃された場合は、その人物に接触する努力を行うと大江氏は述べた。
月曜日、東京の病院も、熊本慈恵病院に続いて「秘密出産」の取り組みを開始した。
社会的弱者の母親による危険な自宅出産を阻止するために、このプログラムは、妊婦が個人情報を最小限に開示した状態で病院で出産できるようにすることを目的としていると、産科会は述べている。
AFP