
厚生労働省は15日、新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査について、1日当たりの検査能力が約2万2000件に達したと発表した。感染が疑われる人が検査を希望しても受けられないとの不満が相次ぎ、安倍晋三首相が4月、「1日2万件」を目標に体制強化を掲げていた。
厚労省によると、PCR検査は国立感染症研究所や検疫所、民間企業、大学などに機器があり、1日に検査可能な件数は5月13日時点で1万9420件だった。15日に民間で新たに2640件の検査が可能となり、全国で2万2000件を超えた。
国内の検査体制をめぐっては、諸外国と比べてPCR検査の件数が少なく、感染の実態をつかめない恐れが指摘されていたほか、検査を受けられないことで入院が遅れるとの声が上がっていた。
同省は「医師が必要と判断した人が確実に受けられるようにすることが重要」とした上で、「感染がぶり返しても、すぐに能力が不足するような状況ではなくなった」としている。
新型コロナウイルスの検査では、感染の有無を短時間で調べられる抗原検査キットが13日に薬事承認された。ただ、抗原検査は精度が劣るため、同省幹部は「陰性の判定にはPCR検査と併用する」と話している。
JIJI Press