
バチカン市国:ローマ教皇レオは19日、第二次世界大戦末期に米国が日本の広島に原爆を投下してから80周年に当たる節目に、世界的な核抑止力システムの「幻想の安全保障」を批判した。
米国生まれの最初のローマ教皇であるレオは、週次の謁見で、約7万8000人が即死した広島の破壊は、”核兵器によって引き起こされる…荒廃に対する普遍的な警告 “となるべきだと述べた。
「強い緊張と血なまぐさい紛争が目立つ現代世界において、相互破壊の脅威に基づく幻想的な安全保障が、……対話の実践に道を譲ることを望みます」と教皇は語った。
カトリック教会は何十年もの間、冷戦時代に発展した核抑止体制を黙認してきたが、レオの前任者であるフランシスコ法王は、核兵器の保有を非難するよう教会の教えを変更した。
12年間の教皇職を終えて4月に死去したフランシスコは、核兵器を禁止する国連条約も強く支持した。この条約は2021年に正式に発効するが、核保有国の支持は得られていない。
水曜日の教皇レオの訴えは、米国を含む120カ国の代表が広島で毎年恒例の原爆投下記念式典に出席した数時間後に行われた。
式典には、シカゴのブラーゼ・クピッチ枢機卿、ワシントンDCのロバート・マッケロイ枢機卿を含む日本、韓国、米国のカトリック司教団が出席した。
「私たちは、すべての戦争と紛争、核兵器の使用と保有、核兵器使用の脅威を強く非難する」と、司教団は水曜日に共同声明で述べた。
ロイター