英製薬大手アストラゼネカは26日、同国のオックスフォード大学と共同開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンについて、日本国内への供給に向け日本政府と具体的な協議を始めることで合意したと発表した。製造・流通面では第一三共、明治ホールディングス(HD)などの国内企業も協力し、安定的な供給体制の構築を目指す。
アストラゼネカのワクチンはすでに英国で臨床試験(治験)に入るなど、世界中で承認に向けた手続きが進む。同社は今後、日本でも治験を開始する計画。これと並行して、日本の製薬会社と国内での具体的な生産体制整備の検討に入る。
協力するのは、第一三共傘下の「第一三共バイオテック」(埼玉県)、明治HD傘下の「Meiji Seika ファルマ」(東京)と「KMバイオロジクス」(熊本市)。アストラゼネカからワクチン原液の提供を受け、国内で容器への充填(じゅうてん)、包装、配送などを行う計画だ。
ワクチン生産で協力する第一三共と明治の設備は、新型インフルエンザのワクチンで半年に計9700万人分を生産する能力があるという。
JIJI Press