
熊本県南部の広い範囲に浸水被害をもたらした豪雨は18日で発生から2週間となった。県内の住宅被害は少なくとも全半壊が592棟、床上浸水が5525棟に上る。なお約2000人が避難所に身を寄せ、69世帯で孤立状態が続いている。
25人の犠牲者が出た同県球磨村では、総合運動公園内に置かれた臨時役場で職員や他県からの応援職員ら約80人が、午前8時半から30秒間、黙とうをささげた。松谷浩一村長は「復旧への作業を進め、住民を少しでも安心させたい」と語った。
入所者14人が亡くなった特別養護老人ホーム「千寿園」の前には、白や黄の花束が四つ手向けられていた。すぐ横のフェンスには、手押し車が逆さまの状態で引っ掛かったままだった。
一部の自治体では18日までに、公的支援を受けるための罹災(りさい)証明書の申請受け付けや、住宅の被害認定調査が始まった。
ただ、生活再建に欠かせない災害ごみの回収は、地域によってばらつきが生じている。市街地から離れた集落などは道路の復旧が進まず、アクセスも悪いため回収の遅れが目立ち、住宅再建の足かせになっている。
総務省消防庁によると、これまでに九州全体で確認された死者は71人。熊本県が65人と最多で、他に福岡、大分両県が各2人、長崎、鹿児島両県が各1人。6人が行方不明のままとなっている。
JIJI Press