カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件に絡む証人買収事件で、東京地検特捜部は20日、衆院議員の秋元司容疑者(48)=収賄罪で起訴=を組織犯罪処罰法違反(証人等買収)容疑で逮捕した。保釈中の国会議員の再逮捕は極めて異例。特捜部は秋元容疑者の認否を明らかにしていない。
特捜部は議員会館にある秋元容疑者の事務所などを家宅捜索。押収資料を精査し、買収資金の出どころなどの解明を急ぐ。
秋元司容疑者の地元事務所から、押収物が入ったとみられる段ボール箱を運び出す東京地検の係官=20日夜、東京都江東区
秋元容疑者の逮捕容疑は、いずれも会社役員の淡路明人(54)、佐藤文彦(50)両容疑者と共謀し、6月27日、贈賄側の中国企業「500ドットコム」顧問だった紺野昌彦被告(48)に対し、公判で秋元容疑者に有利になるような虚偽の証言をすれば現金1000万円を提供するなどと申し出。7月22日にも報酬2000万円で偽証させようとした疑い。
秋元容疑者は2月に保釈された後、淡路容疑者と面会しており、この際、買収工作について話し合ったとみられる。秋元容疑者は周囲に「自分は一切関与していない」と話し、取材にも買収への関与を否定していた。
紺野被告と、共に贈賄罪で起訴されたドットコム社の元顧問仲里勝憲被告(48)の初公判は今月26日に予定されている。
両被告は衆院が解散された2017年9月28日、秋元容疑者の議員会館の事務所を訪問。現金300万円を手渡したとされる。関係者によると、紺野被告と面談して偽証を依頼したのは佐藤容疑者で、公判で解散日には秋元容疑者と面会していない旨のうその証言をするよう依頼したという。
仲里被告には、会社役員の宮武和寛容疑者(49)が接触。同容疑者は偽証すれば継続的な資金提供を申し出るなどした疑いで逮捕されている。
JIJI Press