
ジャカルタ: 菅義偉首相は水曜日、ベトナムとインドネシアへの訪問を締めくくり、日本は東シナ海と南シナ海の緊張をエスカレートさせるいかなる行動にも反対すると述べた。日本政府は特定の国を封じ込める「アジア版NATO」を目指しているわけではない、と菅氏は付け加えた。
菅首相の4日間にわたる東南アジア2か国への訪問は、先月の就任以降初めての海外訪問となる。今回の訪問は中国による同地域における主張の高まりを懸念する中で、地域の主要国との関係を強化しようとする日本の取り組みの一環だ。
菅首相は「日本は南シナ海での緊張を高めるいかなる行動にも反対する。南シナ海問題に関わるすべての国が武力や圧力に頼らず、国際法に基づく紛争の平和的解決に向けて努力することの重要性を改めて強調させていただく」とジャカルタでの記者会見で語った。
菅氏の東南アジア訪問は、今月東京で開催されたインド、オーストラリア、日本、米国の非公式なグループ「クアッド」の会合に続いて行われたもので、米国政府はクアッドを中国の地域的影響力の増大に対する防波堤と見ている。
中国は、4つの民主主義国のグループ化を、中国の発展を封じ込めることを目指した「ミニNATO」だと非難している。
日本が北大西洋条約機構(NATO)のアジア版を作りたいと思っているのかとの質問に菅氏は「南シナ海での我々の対応は、特定の国に向けられたものではない」と答えた。
菅氏は、日中間の深い経済関係と、中国政府が日本と領有を争う東シナ海の島々に対する主張を強めていることを含めた安全保障上の懸念とのバランスを取らなければならない。与党の中には、前任者の安倍晋三氏の下で改善してきた中国との関係を経て、より強硬な路線を望んでいる者もいる。
「日本は領土、領海、領空を守る確固たる決意を持っている」と菅氏は述べた。また、日本は東シナ海の緊張を高める行動に反対していると付け加えた。
ASEAN(東南アジア諸国連合)のメンバーのうち数か国は、極めて重要な南シナ海で中国との領土問題を抱えているが、ASEANの主要な経済的パートナーを疎外し、米国政府と中国政府の間の激しい対立に巻き込まれることを警戒している。
しかし、この地域における日本の関与の拡大を歓迎する国もある。
菅首相は火曜日、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領と会談し、日本の防衛装備品や技術をインドネシアに輸出するための協議を加速させ、両国の防衛大臣と外務大臣が近く会談することで合意した。
前日には、菅首相とベトナムのグエン・スアン・フック首相が、防衛装備品と技術の移転協定についても原則的に合意した。
ロイター通信