
【ソウル時事】朝鮮中央通信は15日、北朝鮮の平壌で14日夜、軍事パレードが行われ、金正恩総書記が閲兵したと報じた。新型短距離弾道ミサイルや潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)が登場したが、昨年10月の朝鮮労働党創建75周年で公開した新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)は動員しなかったもようだ。
軍事パレードは5~12日に開かれた朝鮮労働党大会を記念して実施。正恩氏は党大会で米国を「最大の主敵」と呼び、バイデン次期政権との対決姿勢を強調した。ただ、パレードでは新型ミサイルで周辺国への脅威を誇示しつつも、米本土を射程に収めるICBMを公開しなかったことで米側に一定の配慮を示し、新政権発足前の刺激を控えた可能性がある。
パレードでは「核武力である戦略軍縦隊」や「敵を消滅できる打撃力を持った」ミサイル部隊が登場。公開された写真には、米軍の地対地ミサイル「ATACMS」に似たものや、変則的な軌道で飛行するロシア製の短距離弾道ミサイル「イスカンデル」に類似した新型ミサイルなどが写っている。
このほか、「北極星5」と記されたSLBMを公開した。これまで昨年10月のパレードで登場した「北極星4」までの存在が確認されており、新型SLBMとみられる。
パレードでは金正官国防相が演説し、「共和国の武力は金正恩同志の命令と指示にのみ忠実である」と強調。「敵対勢力が安全を侵害するならば、最も強力な攻撃力を先制的に動員して膺懲する」と警告した。
JIJI Press