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受賞実績を持つWetlandリサーチプロジェクトが日本で初の展覧会を開催

waiwai research and design agencyによる受賞実績を持つWetlandリサーチプロジェクトが、東京下北沢のSRR Project Spaceで日本初の展覧会を開催。(写真:マサタカ・タナカ/提供:スタートバーン)
waiwai research and design agencyによる受賞実績を持つWetlandリサーチプロジェクトが、東京下北沢のSRR Project Spaceで日本初の展覧会を開催。(写真:マサタカ・タナカ/提供:スタートバーン)
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03 Nov 2022 03:11:30 GMT9
03 Nov 2022 03:11:30 GMT9

日本のブロックチェーンアート企業であるスタートバーンが、「Wetland Lab」と題された新しい展覧会を東京下北沢のSRR Project Spaceで10月29日から12月11日まで開催している。本展はwaiwaiのリサーチ部門であるwaiwai research and design agencyによる、生態系や材料に関する研究を紹介するもの。同社はドバイと東京にオフィスを構え、建築、景観、グラフィック、都市など様々な分野において受賞実績を持つデザインスタジオである。

このリサーチプロジェクトは、2021年のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展でアラブ首⻑国連邦(UAE)館の「Wetland」から展示開始されたもので、ビエンナーレの最優秀賞である Goldern Lion(最優秀国別参加賞)を受賞。SRR Project Spaceでの展示は、同プロジェクトの日本での初展示になる。

ヴェネツィアの「Wetland」では、産業廃棄物のかん水をリサイクルして作られた塩系セメント材料のプロトタイプが展示された。このセメントは世界のCO2排出量の8%を占めるポルトランドセメントを代替し、建築業界による環境への悪影響を低減できる可能性を持つ材料として考案されたもの。塩を結着剤として使用し、UAEの自然に見られるサブカ(塩の地層)から着想を得た結晶化プロセスにより作成される。

「我々は気候危機に対する強い責任、そして緊急に行動する必要性を感じています。建築家の役割と定義は変化を求められており、生態系を支え、そして育んでいく新しい未来を想像し、そこに向かっていかなければなりません。今日使用されている材料は、気候危機のほぼ40%に関与しており、そして作られる空間は、都市各々のコンテクストを反映することもなく、同じようなものになってしまっています。私たちのコンセプトである『未来のヴァナキュラー』は、産業廃棄物のリサイクルに焦点を当て、現在のテクノロジーを使って過去と再接続する方法をお見せします」と、waiwaiの創業パートナー/主任建築家であるワイル アル アワル氏はプレスリリースで述べている。

下北沢での本展は、持続可能な都市開発におけるアート、クリエイティビティ、テクノロジーの役割を促進するSRR Project Spaceのミッションに沿って、UAEと日本で活躍する一流の建築家・研究者を称賛する機会となっている。

本展で鑑賞できるwaiwai research and design agencyの作品は、世界各地の現代アートやデザインに関する最新の研究プロジェクトを下北沢のローカルコミュニティと結びつけるという、SRR Project Spaceのミッションをさらに押し進めるものだ。

「世界規模の気候変動のような、我々の生態系に影響を与えるさまざまな脅威に対する試みがここから始まります。場所、つまりその文化、歴史、風土、そこで暮らす人々こそが鍵であると我々は考えます。ローカルな存在として深く、かつ間近で物事を見ること、そしてアウトサイダーとして客観的・合理的に物事を見ることが鍵です。『未来のヴァナキュラー』は、その相反するように見える視点からこそ見出せるものだと思います。日本とUAEを拠点とする建築家が率いる、多文化・多分野のチームが『Wetland Lab』を、そして未来の可能性をお見せします」と、waiwaiの創業パートナー/主任建築家である山雄和真氏は語った。

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