
2019年参院選をめぐる大型買収事件で、公選法違反(買収、事前運動)罪に問われた衆院議員の元法相、河井克行被告(57)の公判が25日、東京地裁(高橋康明裁判長)であった。広島6区選出で金融担当相などを歴任した亀井静香元衆院議員(84)の男性秘書(70)が出廷し、克行被告から現金計300万円を受け取ったと証言した。
300万円は、克行被告が現金を提供したとされる100人の中では最高額。
証言によると、男性は19年5月31日に広島市内の克行被告の事務所で100万円、同7月3日には同市のホテルで200万円を受領。克行被告は「企業から締め出されて大変なんです。なんとか助けてください」などと言って現金入りの封筒を差し出したという。
男性は現金の趣旨について、妻の参院議員案里被告(47)=公選法違反罪で有罪判決=への選挙依頼と感じたと説明した。参院選後に克行被告から事務所顧問として勧誘されたため、「そんな(顧問料の)意味もあったのかなと思った」とも述べた。
男性は、亀井氏の後援会や地元企業への働き掛けなどの選挙支援を行ったという。亀井氏には検察の捜査を受けた後に現金受領を報告し、「ばか者」と叱責を受けたと話した。
JIJI Press