
【ニューヨーク時事】日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告のレバノン逃亡を手助けしたとして、米国で拘束されている容疑者の米国人親子の日本に対する身柄引き渡しをめぐる訴訟で、東部ボストンの連邦高裁は11日、移送の緊急差し止めを求めた親子側の申し立てを退けた。
親子側は早ければ12日に日本に移送される可能性があり、高裁での審理中は移送できないようにすべきだと主張。これに対し高裁は「(親子側は)差し止めが妥当であることを論証していない」と判断した。ロイター通信によると、親子の弁護人は「法的選択肢を検討している」と述べた。
親子は元米陸軍特殊部隊員マイケル・テイラー容疑者と息子のピーター容疑者で、東京地検の要請で米当局が昨年5月に拘束した。地検は米国との犯罪人引き渡し条約に基づき2人の移送を求め、国務省が連邦地裁の容認を受けて移送を承認。親子側は差し止めを申し立てたが、連邦地裁が今年1月に退け、親子側が控訴していた。
JIJI Press