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「コロナ治療」で広がる輸入=未承認薬、厚労省「安易な服用控えて」

新型コロナウイルスの治療薬として臨床試験(治験)中の抗寄生虫薬などを、海外から取り寄せる動きが広がっている。ただ、国が承認をしていない薬は、副作用などが出ても救済対象にならない可能性がある。(Shutterstock)
新型コロナウイルスの治療薬として臨床試験(治験)中の抗寄生虫薬などを、海外から取り寄せる動きが広がっている。ただ、国が承認をしていない薬は、副作用などが出ても救済対象にならない可能性がある。(Shutterstock)
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21 Feb 2021 12:02:12 GMT9
21 Feb 2021 12:02:12 GMT9

新型コロナウイルスの治療薬として臨床試験(治験)中の抗寄生虫薬などを、海外から取り寄せる動きが広がっている。ただ、国が承認をしていない薬は、副作用などが出ても救済対象にならない可能性がある。厚生労働省は未承認薬の安易な服用を控えるよう求めている。

「自宅療養で命を落とす人がいる」。静岡県に住む40代の女性は昨年11月、代行業者を使って輸入したインドの医薬品会社製造の抗寄生虫薬「イベルメクチン」を飲んだ。国内でコロナ治療薬として承認されていないため、米疾病対策センター(CDC)で公開中の論文を読むなどして情報を収集。「感染予防のため自己責任で服用するしかないと思って買った」と振り返る。

イベルメクチンは、国内では北里研究所がコロナ治療への治験を続けている。ただ、現時点では未承認のため、感染予防や治療目的で服用した場合は適応外使用となり、医薬品副作用被害救済制度の対象にならない可能性がある。

「コロナに効く薬を求める客は重症リスクの高い50~60代に多い」。ある代行業者は、イベルメクチンだけでなく、感染予防などの目的で注文される未承認薬は複数あると明かす。背景には、コロナ治療薬として国が承認した「レムデシビル」と「デキサメタゾン」が、医師の処方なしに入手できないことがあるとみられる。

ただ、かつて注文が多かった薬には、トランプ前米大統領が服薬したことで知られる抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」や、HIV治療薬「ロピナビル」などがあるが、世界保健機関(WHO)が治験の結果、コロナ治療の効果を認めなかった。

また、海外に拠点を置く業者の中には、医薬品医療機器法が未承認薬の広告を禁じているにもかかわらず、治験中の薬を「コロナ治療薬」と宣伝するケースもある。

厚労省結核感染症課は「一般的に輸入薬は中身が正しいものか、誰も保証していない。自己判断の服用はかなり危険だ」と注意を促している。

JIJI Press

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