
菅義偉首相は21日、防衛大学校(神奈川県横須賀市)の卒業式で訓示した。首相は、将来的に自衛隊に新たな任務が加わる可能性があるとの認識を示した上で、「強い意志を持って、進んで新しいことに挑戦して将来の変化に適応してほしい」と呼び掛けた。
首相は、海外での国連平和維持活動(PKO)などの新たな任務が自衛隊に付与されてきたことに触れ、「諸官の先輩は、30年前に誰も予測できなかった数々の任務に立派に対応してきている」と強調。今後30年についても、「これまでにない課題や脅威が現れ、新たな任務が自衛隊に付与されているのではないか」と述べた。
一方、「複雑化する安全保障環境下では、もはやどの国も一国のみで自国の平和と安全を守ることはできない」とも指摘。来月に予定される自身の訪米を通じて日米同盟を強化する考えを示した。
今年度の卒業生は488人。民間企業への就職などによる任官辞退者は昨年度に比べ7人減の28人だった。式は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、卒業生の家族や来賓の参列を控え、オンラインで中継した。
JIJI Press