
いわき、日本:破壊された福島第一原子力発電所に保管されている汚染水を放出するという決定に、日本の漁業関係者達が懸念を抱いている。隣国の中国や韓国との外交的な騒ぎのきっかけとなった決定でもある。
日本政府は火曜日、約2年後から100万トン以上の処理水を福島原発から段階的に放出していくと発表。中国はこの決定を「非常に無責任」であると称し、韓国は放出の停止を求めて国際裁判所への申し立てを検討すると述べた。
10年前に福島でメルトダウンを引き起こした地震と津波によって、壊滅的な被害を受けて未だに困難が続く北日本の漁業関係者達は、長期にわたりこの決定を予期しており、定期的に政府に抗議を行ってきた。
「例え魚が安全だと断定されても、最も恐れているのは悪評です、」と67歳のタカギマサオさんがロイター通信に語った。
それでも彼は、福島原発から60 キロ (35 マイル)南に位置するいわき市の小名浜港で船の上で妻と網を確認しながら、決定に対してどこまで手を尽くせるのか悩んでいた。
「結局、海しかないのです、」と彼は言った。
政府は他の選択肢も検討したが、ほとんどの専門家達が規制基準以内まで処理され希釈された水の太平洋への放出が、いずれ決定されると予想していた。
福島原発の所有者である東京電力は、放出による風評被害に苦しむ漁業関係者やその他の方々は補償を受けるだろうと述べた。
メルトダウンで膨大な量の放射性物質が空中や土壌、そして海に分散されたため、発電所近くの海で水揚げされた漁獲は放射線検査を受ける。
だが、漁業に課されていた規制のほとんどは解除されました、と60歳のマツバラヒロミさんが小名浜にある自身の船の操縦席に足を踏み入れながら言った。
「やっと本格的に稼働できるようになったばかりです。もし水が放出されたら、またもとに戻ってしまうのではないかと心配です、」と彼は言った。
他の人々も一様に諦めているようだ。
「政府は水を放出する事は科学的には安全だと言いました、」と卸業を営む38歳のキムラモトノブさんが、港で魚を仕分けしながら述べた。
「私達にできる事はその言葉を信じて、私達と取引してくれる方々と取引を行う事です」
ロイター通信