
米バイオ医薬品企業モデルナが開発した新型コロナウイルスワクチンが30日午前、ベルギーのブリュッセルから日本航空便で関西空港に到着した。自衛隊が5月24日から設置する予定の大規模接種センターなどで使用される見通し。
モデルナ製ワクチンは現在、厚生労働省で審査が進められており、5月中に承認される見込み。田村憲久厚労相は30日の閣議後記者会見で「近いうちにモデルナワクチンの(審査)結果が出てくる。承認されればすぐに接種に向けての体制に入っていく」と述べた。同省は、緊急時に審査を簡略化できる「特例承認」を活用する。
モデルナ製は、零下20度で最長6カ月、通常の冷蔵庫(2~8度)だと1カ月保存が可能。国内で接種が始まっている米製薬大手ファイザー製が長期保存の際、零下60度以下の超低温が求められるのに対し、取り扱いやすくなる。ファイザー製よりも接種間隔が長く、28日間空けて2回打つ必要がある。海外での臨床試験(治験)では約94%の高い予防効果が示されている。
厚労省は、ファイザーから9月までに2500万人分の供給を受ける契約を結んでいる。国内ではこれまでに、医療従事者や高齢者ら220万人超が最初の接種を終えた。
JIJI Press