
ソウル
韓国の文喜相国会議長は、日本との間で現在議論になっている元徴用工問題を解決するために基金を設立する法案を起草したと、26日に韓国の聯合ニュースが伝えた。
報道によると、起草された法案では基金を作ることを求めている。この基金は、両国政府と企業が参加するもので、朝鮮半島が日本の植民地であった時代に日本企業に徴用された元徴用工など1,500人に対し、合計約2,000億ウォン(277億円)を支払う。
聯合ニュースによると、法案では関係する日本企業は自発的に基金に寄付をすることが期待される。
文氏は26日、元徴用工などとの面会でこの法案について明らかにした。必要であれば法案を改訂し、元徴用工の意見を反映する考えだ。
文氏は法案の年内成立を期待しているとされるが、それは困難に見える。
文氏は今月東京を訪問中に、スピーチでこの基金を提案した。しかし、詳細は明らかにされなかった。
聯合ニュースが伝えるところによると、法案では、元徴用工のための既存の基金を新しいものに作り直し、両国の企業や市民が金銭の寄付を行うことを想定している。日本政府が関与するかどうかや、関与する場合の方法は明らかになっていない。
新基金は、第二次世界大戦の戦前と戦中に日本軍のための売春婦として働いた元慰安婦への支援も提供する。
これについては、2015年に両国の合意によって日本政府の出資で設立され、現在は解散している元慰安婦のための基金に残された60億ウォンを新基金が使用する。
文氏のこの動きは、元徴用工裁判で昨年後半に大法院が、日本企業に対して韓国人の原告への賠償を命じる判決を下したことについて、韓国政府と日本政府が対立を続けていることを受けたものだ。
日本政府は、元徴用工問題は1965年の二国間合意で解決済みとの立場を維持しているため、新基金の設立を支持するかどうかは不透明だ。
[時事通信社]