
27日、飲食店襲撃テロ事件の判決を前に厳戒態勢が敷かれたダッカの裁判所
【ダッカ時事】バングラデシュの首都ダッカで2016年、武装集団が飲食店を襲い、日本人7人を含む人質20人が死亡したテロ事件で、ダッカの対テロ特別法廷は27日、被告8人に判決を言い渡す。検察は被告全員に死刑を求刑したとみられる。事件をめぐっては、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行を主張した。
判決を言い渡されるのは、地元イスラム過激派ジャマトゥルムジャヒディン・バングラデシュ(JMB)の分派で、ISの影響を受けたとされる「ネオJMB」のメンバーの男8人。それぞれ、計画立案、資金や武器の調達、勧誘などに携わったとされる。実行犯グループは現場で治安部隊に射殺された。
事件では首謀者の1人として、バングラデシュ出身で日本国籍の立命館大元准教授、モハマド・サイフラ・オザキ容疑者の関与が疑われている。バングラデシュの報道によると、オザキ容疑者は今年3月、シリア東部でクルド人部隊に投降し、イラクに身柄を移された。
ただ、オザキ容疑者がバングラデシュで罪に問われる可能性は低いという見方もある。地元紙記者は「バングラデシュ政府は、ネオJMBとISとの関係を否定している。オザキ容疑者を訴追すれば、政府説明と矛盾することになる」と解説した。オザキ容疑者はフィリピンなどでも多数のIS戦闘員を勧誘したとみられており、地元紙記者は「(IS掃討を図ってきた)米国が関心を持って取り調べるのではないか」と分析した。(了)