
自民党総裁選の4候補は24日、外交・安全保障政策に関する党主催の政策討論会に臨んだ。河野太郎規制改革担当相(58)、岸田文雄前政調会長(64)、高市早苗前総務相(60)は沖縄県・尖閣諸島の警備のため、海上保安庁の能力強化を検討する考えを表明。野田聖子幹事長代行(61)も含めた4氏は、台湾の環太平洋連携協定(TPP)加入申請を歓迎する姿勢を示した。
河野氏は「必要なら海上保安庁に関する法律の改正も視野に入れ、何かあったときは自衛隊が対応できる態勢を維持していきたい」と強調。高市氏も「中国の海警法を不安に思っている。海保法を必ず改正したい」と語った。
岸田氏は「中国の装備はどんどん進歩している。海保の装備の充実は大変重要だ」と指摘した。野田氏は「(警備態勢の)微調整にはしっかり取り組まなければならない」と述べるにとどめた。
台湾のTPP加盟申請に関しては、河野氏が「台湾が高いスタンダードをクリアして加盟してくれるのは非常にうれしい」と表明。岸田氏は申請を歓迎しつつ、「高いレベル(の自由化)に対応できるかどうかは冷静に見ていかなければならない」と指摘した。
高市氏は「台湾の加盟への支援は惜しまない」と言明。野田氏も「しっかり台湾を支えていく」と語った。
TPPをめぐっては、中国も先に加盟を申請。岸田、高市両氏は17日の共同記者会見で中国の加盟に慎重な姿勢を示し、野田氏は「前向きに検討すべきだ」と述べている。河野氏は見解を明らかにしていない。
討論会は新型コロナウイルス感染拡大に伴い見送った地方遊説に代わる取り組みで、オンラインでの国民の質問に答える形で進められた。
時事通信