
【ソウル時事】朝鮮中央通信は29日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が「超大型ロケット砲」の試射を視察したと報じた。日時は不明だが、北朝鮮は28日、日本海に向けて弾道ミサイルとみられる飛翔(ひしょう)体を発射しており、報道はこれを指すとみられる。
同通信によると、試射は「超大型ロケット砲の戦闘適用性を最終検討する」のが目的。今回のミサイルの「連発試射」で「兵器システムの軍事技術的優位性と信頼性が確固として保証されることを実証した」という。正恩氏は発射の結果に「大満足」した。
試射は北朝鮮の国防科学院で行われた。同通信は国防科学者らが「強力な兵器体系を開発、完成した喜びにあふれている」とし、「先端武装装備をより多く研究開発し、国家の防衛力を粘り強く固めていく決意に満ちている」と指摘した。
北朝鮮は8~10月にも、超大型ロケット砲の発射実験を実施。同通信は10月の発射の際、「指定された目標区域を超強力に焦土化することが可能となった」と伝えていた。今回の試射は、日韓が今月22日に軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の維持を決めた後、初めて行われた。
河野太郎防衛相は29日の記者会見で、北朝鮮が28日に発射した2発の飛翔(ひしょう)体について、短距離弾道ミサイルと推定され、発射間隔は1分未満だったとの分析結果を明らかにした。河野氏は「飽和攻撃などに必要な連続発射の技術の向上を図ったものと考えられる。脅威は上がってきている」との認識を示した。
河野氏はミサイルの種類に関し、8月24日と9月10日、10月31日に発射されたものと同系統で、固体燃料推進方式の新型だったと指摘。
「わが国および国際社会に対して深刻な懸念をもたらすものだ。統合ミサイル防衛能力をしっかり整備していきたい」と述べた。
JIJI Press