
政府は29日の閣議で、高校中退予防や中退者の再入学支援など、将来の貧困を予防する上で重要な修学継続に向けた支援を充実させることを柱とした新たな子どもの貧困対策大綱を決定した。妊娠・出産期から社会的な自立まで切れ目ない支援を講じる方針で、親から子への貧困の連鎖を断ち切り、全ての子どもが夢や希望を持てる社会の構築を目指す。
2014年に閣議決定した前大綱を5年ぶりに見直した。高校の中退予防では、在学中の女子生徒が妊娠・出産を機に中退するケースもあることから「母体の保護を最優先としつつ、教育上必要な配慮を行うべきものであること」を周知徹底する。
中退者への支援では、地域若者サポートステーションやハローワークなどの取り組みを学校が情報提供し、就労や復学・修学を後押ししていく。
また、親の妊娠・出産期から乳幼児期、義務教育、高校とそれぞれのライフステージに応じて、生活困窮などの問題の発見と支援を切れ目なくつなげられるよう、関係機関の連携による継続的な支援体制を構築する。
さらに子どもの貧困をより正確に把握するため、新たな貧困の指標として「食料や衣服が買えない経験」「公共料金の未払い」などを追加した。
◇子どもの貧困対策大綱のポイント
一、高校中退予防、中退後支援の観点を含む体制を整備
一、妊娠・出産期から社会的自立まで切れ目なく支援
一、生活困窮者に対する就労準備や家計改善を一体的に支援
一、食料や衣服が買えないなど新たな貧困指標を活用し、より正確な実態を把握
JIJI Press