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シリアとチュニジア、国交回復へ前進

握手を交わすチュニジアのカイス・サイード大統領(左)とシリアのファイサル・メクダド外相。4月18日、チュニジアの首都チュニス近郊のカルタゴにて。(チュニジア大統領府による提供写真)。(AP)
握手を交わすチュニジアのカイス・サイード大統領(左)とシリアのファイサル・メクダド外相。4月18日、チュニジアの首都チュニス近郊のカルタゴにて。(チュニジア大統領府による提供写真)。(AP)
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19 Apr 2023 06:04:51 GMT9
19 Apr 2023 06:04:51 GMT9
  • チュニジアのカイス・サイード大統領は、シリアとの二国間協力を強化し、同国との「兄弟愛に基づく歴史的な絆」を維持したいと発言

チュニス:チュニジアのカイス・サイード大統領は18日、シリアの首席外交官と会談し、二国間協力を強化し、シリアとの「兄弟愛に基づく歴史的な絆」を維持したいと発言した。チュニジアの国営TAP通信が報じた。

シリアとチュニジアの外交関係は、シリアのバッシャール・アサド大統領が自身の支配に反対する大規模な抗議活動を弾圧した後に起きた内戦の中、2012年に断絶されたままになっている。シリアのファイサル・メクダド外相による17日からの3日間のチュニジア訪問は、両国の関係回復のためのものであるとチュニジア外務省は声明で述べている。

ファイサル外相はチュニジア到着後すぐの17日夕、チュニジアのナビル・アマル外相と会談を行った。

サイード大統領は、チュニジアがさまざまな二国間問題について、また文化を共有する両国の絆に関連して協力を強化する意思があることを強調したとTAP通信は報じている。

両国の新たな一歩を踏み出そうとする動きは、この10年間でこの地域の状況がいかに変化したかをまざまざと見せつけるものだ。チュニジアは、2011年にシリアにまで広がった中東の民主化運動「アラブの春」の発祥の地であり、アサド大統領を強く批判してきた国である。しかし今日、チュニジア政府は権威主義へと逆戻りし、アサド政権のシリアと新たな同盟を結ぼうとしているのだ。

今月初め、サイード大統領は、シリア政府がチュニスの同国大使館の再開と大使の任命を決めたことを受け、チュニジアも駐シリア大使を任命することを決定している。

サイード大統領は2月、ダマスカスにおけるチュニジアの外交体制のレベル引き上げを発表し、アサド政権が直面している危機は「シリア国民だけに関係する内政問題 」であると述べていた。この動きは、シリアと隣国トルコで数万人の犠牲者を出した大地震を受け、チュニジアが緊急の人道支援を行っていた時期に明らかにされたものである。

ファイサル外相のチュニジア訪問は、シリアの内戦中に外交関係を維持した数少ないアラブ諸国の一つであるアルジェリアへの訪問に続くものだ。

この訪問と時を同じくして、チュニジアの有力なイスラム主義指導者ラシェド・ガヌーシ氏が警察の捜索の末に拘束された。ガヌーシ氏の支持者たちは、反対派を抑え込もうとするサイード大統領による暴挙だと非難している。ガヌーシ氏は野党「アンナハダ(再生)」の党首で、サイード大統領の批判者として最も有力な存在である。

一方、ファイサル外相は先週サウジアラビアも訪問している。

シリアは2011年のアサド大統領によるデモ隊弾圧をめぐってアラブ諸国の政府から広く敬遠され、アラブ連盟の参加資格を停止されている。

しかし近年、アサド大統領が国土の大部分を支配下に置くようになったことで、近隣諸国は和解に向けた措置を取り始めている。

AP

 

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