
京王線の電車内で乗客17人が刺されるなどした事件で、殺人未遂容疑で逮捕された職業不詳服部恭太容疑者(24)が「当初は群衆を襲撃しようと考えていたが、騒いで逃げられると思い断念した」と話していることが4日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁調布署捜査本部は、同容疑者が勤務先を退職した6月ごろから、周到に襲撃計画を進めていたとみて調べる。
捜査関係者によると、服部容疑者は「会社を辞めて死にたかったが、死ねなかった。死刑になろうと思った」と供述している。10月31日のハロウィーンを狙って東京での群衆襲撃を考えたが、8月に小田急線車内で乗客が男に切り付けられた事件を知って計画を変更したと説明。「電車なら(乗客に)逃げられない」と話しているという。
事件は10月31日午後8時ごろ、新宿行き特急電車内で発生した。
服部容疑者は同6時ごろ、JR渋谷駅周辺を数十分、歩き回っており、その際、事件に使った計約4リットルのライター用オイルと刃渡り約30センチのナイフ、殺虫剤などが入ったリュックを井の頭線渋谷駅構内のコインロッカーに保管していた。職務質問などを受けて、電車襲撃ができなくなるのを恐れたためとみられる。
捜査本部は同容疑者のリュックから手書きのメモと携帯電話も押収しており、解析を進める。
時事通信