
厚生労働省は16日、関西空港の検疫所職員から新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が検出されたと発表した。職員はコロナ陽性者が療養する宿泊施設に勤務していた。同施設にこれまでオミクロン株感染者が3人入所していたことや、職員に海外渡航歴がないことなどから、厚労省は「施設内での感染が強く疑われる」としている。入国者以外で同株感染が確認されたのは初めて。
同省によると、職員は30代女性で、8日に下痢の症状があったが軽く、出勤を続けた。12日の勤務中に倦怠(けんたい)感やせきなどが出たため、13日にPCR検査を行ったところ、コロナ陽性が判明。全遺伝情報(ゲノム)解析でオミクロン株が確認された。
職員は、コロナ陽性者と直接接する業務ではなかった。濃厚接触者は6人おり、同じ療養施設の職員という。いずれもコロナ陰性で症状もない。
施設内は患者をエリア分けする「ゾーニング」を行い、陽性者と接する場合は防護服や高性能マスクを着用するなど感染対策を取っていた。担当者は「その中でも感染が起きたことを真摯(しんし)に受け止める」としている。
時事通信