

AFP通信、東京
アフガニスタンで奇襲を受けて亡くなった1週間後、日本南部での告別式で親類や哀悼者たちがベテラン医師の中村哲氏に賛辞を贈った。
中村医師(享年73歳)の子息は、故人は自然界に敬意を払う行動の人であったと偲んだ。
「父は、山、川、植物、昆虫、動物を愛する人でした」と長男の健氏(36歳)がコメントで述べたと、地元の西日本新聞が伝えた。
「20歳になるまで私は父からいつも叱られていました。「言うだけでなく、行動を示せ」と父はよく言っていました」と彼は発言のなかで付け加えた。
中村氏は、何十年も自身のキャリアを費やしたアフガニスタンで大きな影響を与えた人物であるが、1980年から仕事をしていた東部のナンガルハール州の州都であるジャララバードで、先週殺害された。
彼は、アフガニスタン人の警備員や同僚たち5名とともに殺害された。襲撃についてはまだどこも犯行声明を出しておらず、タリバンはこの襲撃を非難している。
日本南西部にある福岡市で水曜日に執り行われた告別式では、途絶えることなく弔問者が訪れた。
告別式は、遺族と、同氏が運営していたNGO支援団体との共同で執り行われた。
白い棺は白い花で囲まれ、その上には医師の写真、そして下にはアフガニスタンの国旗が置かれた。
「父から学んだことを私は行動で示していきます」と中村氏の子息は述べ、襲撃で殺害された他の人々に哀悼の言葉を捧げた。
殺害された中村医師は、人生の35年間をアフガニスタンとパキスタンの人々を癒す活動に捧げ、最後には、彼を受け入れた国の名誉市民になった。
彼はまた、アフガニスタンの砂漠化の危機について深刻な警告を発し、彼の人道支援組織は井戸や灌漑用水路を建設して、土ばかりが広がるナンガルハール州を木々の立ち並ぶ緑の土地へと変えた。
暴力的な死が日常茶飯事のアフガニスタンにおいてさえ、彼の殺害は衝撃をもって受け取られ、アフガニスタンの追悼者たちは正義を訴えた。
「中村医師は人道主義の象徴でした」と殺害後にカブールで執り行われた通夜の席で、ひとりの哀悼者がAFP通信社に語った。