


2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる国立競技場で15日、竣工(しゅんこう)式が行われた。安倍晋三首相や東京都の小池百合子知事、設計を手掛けた建築家の隈研吾氏らが出席。壇上で首相らが大型ボタンを押すと、スタジアムの大型スクリーンに完成を祝うアスリートらの映像が流れた。
首相は「竣工に至るまでさまざまな苦労があった。令和元年に完成したスポーツの新たな拠点が、これからのスポーツの歴史を刻んでいくことを祈念する」とあいさつ。東京五輪を「日本の力を世界に発信する大会にしていく」と決意を述べた。
新しい国立競技場は、旧競技場が撤去された跡地に約1569億円を投じて建設された。地上5階、地下2階で、建築面積は旧競技場のおよそ2倍。16年12月の着工から3年で完成した。東京五輪では開閉会式、陸上などの舞台となる。
建設をめぐっては、英国の女性建築家ザハ・ハディド氏(故人)による当初計画が、工費の膨張から白紙撤回される混乱があった。代わって採用された隈氏のデザインは「杜(もり)のスタジアム」がコンセプト。豊かな緑、日本の伝統的文化を生かした設計となった。
今後は、21日にオープニングイベントが開催されるほか、来年1月にはサッカー天皇杯決勝、ラグビーの全国大学選手権決勝が行われる。記録が出やすいとされる「高速トラック」では来年5月、セイコーゴールデングランプリ陸上が開催される予定だ。
JIJI Press