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北朝鮮、飛翔体発射も失敗=新型ICBM関連の可能性―韓国軍

(AFP)
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16 Mar 2022 12:03:57 GMT9
16 Mar 2022 12:03:57 GMT9

韓国軍は、16日に北朝鮮が実施した最新のミサイル発射は失敗したとみられると発表した。今回の発射は北朝鮮がここ数年で最も深刻な挑発行為として最大の長距離ミサイルを間もなく発射するという憶測の中で行われた。

北朝鮮が16日の朝、何を発射したのか、どの段階で失敗したとみられるのかは、現時点で明らかになっていない。しかし、今年10回目となる今回の発射は、非核化交渉が休止状態にある中で北朝鮮が兵器の近代化を推し進め、交渉相手に圧力をかけて譲歩させようと決意していることを示している。

韓国軍合同参謀本部は、韓国と米国の情報当局が午前9時30分頃に平壌地域から行われた失敗とみられる発射の詳細を分析していると発表したが、それ以上の詳しい情報は明らかにしなかった。

日本の松野博一官房長官は記者団に対し、弾道ミサイルの飛翔は確認されておらず、日本政府は米国政府や韓国政府と協力して何が起きたかをさらに分析していると述べた。

専門家は、これまでの発射失敗も、米本土を脅かすことができ、実現可能な核兵器を獲得するという北朝鮮の目標の達成に向けた前進に貢献していると指摘する。2016年に8回実施された「ムスダン」中距離ミサイル実験のうち外部のアナリストが発射に成功したと評価したのは1回だけで、北朝鮮のICBMへの道は断たれたのではないかという議論に発展した。

しかし、2017年に北朝鮮は日本上空を通過するより強力な中距離ミサイルを発射した。また、同年にはICBMの発射実験を3回成功させ、米本土の奥深くを攻撃できる潜在的な射程を実証した。

2012年と2016年に北朝鮮が成功させ、国連が長距離ミサイル技術の偽装実験とみなしていた衛星打ち上げの前にも、北朝鮮は発射の失敗を繰り返していた。

米韓両軍は先週、北朝鮮が2020年10月の軍事パレードで公開した開発中のミサイル「火星17型」に言及し、北朝鮮が最近2回の発射でICBMシステムを試験したと発表した。

2月27日と3月5日に実施された直近2回の発射では、北朝鮮のミサイルは準中距離を飛行した。しかし、専門家は北朝鮮が最終的に最大距離のICBM実験を行う可能性があると指摘する。

北朝鮮は偵察衛星用のカメラやその他のシステムを試験したと述べ、2回の実験のうち1回で宇宙から撮影したとする写真を公開したが、どのロケットやミサイルを発射したかは明らかにしなかった。

観測筋によると、北朝鮮はICBMの能力を高めると同時に、初の偵察衛星の軌道投入を目指している。北朝鮮の金正恩総書記は、米国の敵意に対処するために北朝鮮には数々の高度な兵器システムが必要だと述べ、中でも改良型ICBMと偵察衛星を獲得すると宣言している。

火星17型は北朝鮮最大のミサイルで、最大射程が1万5000キロ(9320マイル)におよぶ。これは米国内の任意の地点やさらに遠い場所を攻撃するにも十分な射程距離だ。全長25メートル(82フィート)の火星17型ミサイルは昨年平壌で開催された防衛展覧会で再び公開されたが、まだ発射実験は実施されていない。

北朝鮮が2017年に実験した3つのICBMは、火星14型と火星15型だった。一部のアナリストは、より大型のミサイル開発はミサイル防衛システムを突破するために北朝鮮が長距離ミサイルの多弾頭化を目指していることを表している可能性があると分析している。

北朝鮮がICBMの新たな発射を行えば、2017年11月に実施された3回目にして最後のICBM発射以来、最も注目を集める兵器実験となる。

北朝鮮は新たなICBM発射実験を兵器実験ではなく、偵察衛星を軌道に投入するためのロケット打ち上げと主張するだろう。一部のアナリストは、ICBMの発射が行われた場合、北朝鮮に非難が集まる可能性があるが、ロシアと中国が安保理で拒否権を行使して反対するとみられ、国連による新たな制裁は行われない可能性が高いと指摘している。

今年、北朝鮮が実験したその他のミサイルはほとんどが核兵器を搭載できる短距離ミサイルで、米国の重要な同盟国である韓国と日本を射程内に収めている。北朝鮮は今年1月だけで7回のミサイル実験を行い、2011年末に金正恩氏が権力の座について以来、1か月間に実施されたミサイル実験の回数で過去最多を記録した。

北朝鮮に核開発計画を放棄させることを目的とした米国主導の外交は、米国主導の対北朝鮮制裁をめぐる対立によって2019年に崩壊した。米国政府は北朝鮮に前提条件なしの協議に戻るよう促している。しかし、北朝鮮政府は米国がまず敵視政策を撤回しなければならないと主張し、そうした提案を拒否している。

北朝鮮は1月、4年に渡って続くICBMと核実験に関するモラトリアムを解除することを示唆した。韓国国防省は11日、北朝鮮が核実験場の坑道の一部を復元しているとみられる兆候を検出したと発表した。北朝鮮は現在では休止状態となっている核外交を前に核実験場の坑道を爆破していた。

米財務省は先週、北朝鮮が現在行っている軍事能力開発を支援したとして、ロシアを拠点とする企業3社と、これらの企業に関連する個人2人に対する新たな制裁を発表した。この制裁によってこれらの企業や個人が保有する米国内の資産は凍結される。

AP通信

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