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アブダビ：日本の磯俣秋男駐アラブ首長国連邦大使は3月23日、同国の首都で天皇陛下の62歳の誕生日を記念したレセプションを開催した。

レセプションでは、磯俣大使がスピーチを行い、両国の強固な二国間関係を強調するとともに、アラブ首長国連邦（UAE）と日本が引き継いで行う万博の開催や石油・ガス分野、宇宙ミッションなどの様々な協力分野について論じた。また、日本とUAEの外交関係樹立50周年を祝った。

「50周年という節目に、日本は次の50年に向けて、発展し続けるUAEとの協力のフロンティアを積極的に広げていくことに尽力します。将来の協力に向けた取り組みでは、人材育成とイノベーションという2つの柱が非常に重要だと考えます」と大使は述べた。

磯俣大使は、人材育成の分野では教育が中心だと説明した。日本の大学や大学院にUAEの学生が在籍していることはよくあることだ。

UAEの首都アブダビにある日本人学校では、ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン皇太子の要請により、2006年からエミラティの生徒を受け入れている、と大使は来賓に語った。

「こうしたエミラティの子供達は、日本式のしつけや道徳教育を含めて日本の標準カリキュラムを採用しているこの日本人学校で、幼稚園から学び始めます」と大使はさらに述べた。「子供達は中学校を卒業すると、日本に移住して高校に進学し、さらに日本の大学に進みます」

イノベーションについては、「具体的な成果」が出るような方法で日本の技術とUAEのリソースを結びつけることが成功の主な鍵だ、と磯俣大使は語った。

「例えば、宇宙の分野では、宇宙航空研究開発機構（JAXA）がMBR宇宙センターと協力して、2018年に地球観測衛星『ハリーファサット』を、2020年にはJAXAのH2Aロケットを使って火星探査機『ホープ』を打ち上げました」と大使は述べ、日本のスタートアップが現在「ラーシドローバー」というUAE製探査車の今年中の月面到着を支援するためにMBR宇宙センターと協力している、と付け加えた。

「UAEが急速に発展し続ける中で、日本がUAEと密接に協力できる分野も、再生可能エネルギー、先端ロボット技術、人工知能、ヘルスケア・医療機器、バイオ技術など、ますます広がっています」と、磯俣大使はさらに述べた。また、2050年までに排出量ゼロを達成するために両国が協力しようとする中で、脱炭素化も重要な課題だと語った。

最後に磯俣大使は、中東初の万国博覧会である2020年ドバイ万博の開催成功についてUAEに祝辞を送った。

「次の万博は、ご存知の通り、2025年の大阪・関西万博です。万博は、世界中の人々が未来への夢と希望を見ることができる場です。日本とUAEは、このように多くの点で親密なパートナーになるよう運命づけられているように感じずにはいられません。2020年ドバイ万博のテーマは『心をつなぎ、未来を創る』、2025年の大阪・関西万博のテーマは『いのち輝く未来社会のデザイン』です」と大使は語った。

また、レセプションには生け花の大木春慧先生も出席しており、日本の歌集である古今和歌集をイメージした桜と柳を合わせた生け花を披露した。

UAEと日本の国交樹立50周年を祝して、UAEの国樹であるガーフの木も生け花に使用された。

レセプションでは、大使専属シェフの田中氏が日本から取り寄せた新鮮な食材を使った和牛や寿司など、本格的な日本料理が来賓に振る舞われた。