
厚生労働省は11日、米国から到着した30代女性の空港検疫で、新型コロナウイルスのオミクロン株の新たな系統「XE」が検出されたと発表した。日本で確認されたのは初めて。同省は「国内での感染拡大は現時点で確認されていない」としている。
厚労省によると、女性は3月26日に成田空港へ到着。入国時は無症状だった。検疫でコロナ感染が判明し、国立感染症研究所の詳しい解析でXEが検出された。女性は国の指定する施設に隔離されたが、9日間の療養期間を終え退所した。ワクチンは米ファイザー製を2回接種していた。
XEはオミクロン株に分類され、従来型「BA.1」と国内で置き換わりが進む「BA.2」が組み合わさっている。世界保健機関(WHO)や感染研によると、英国では1月19日に初確認され、今月5日時点で1125件の事例が報告された。他に米国やデンマーク、アイルランドなどでも見つかっている。
感染者の増加する速度が「BA.2」より12.6%高いとの報告もあるが、重症化リスクなどの詳しい性質は分かっていない。
感染研の脇田隆字所長はこれまで、XEについて「英国でも広く感染が広がっているわけではない。感染拡大に影響するかどうか見ていく必要がある」と注視する姿勢を示していた。
時事通信