ローマ時事: 岸田文雄首相は4日午後(日本時間同)、イタリアのドラギ首相とローマで会談し、ロシアのウクライナ侵攻への対応を協議した。両首脳は先進7カ国(G7)をはじめとする国際社会の毅然(きぜん)とした対応が重要との認識で一致。ウクライナの政府・国民を全力で支援することを確認した。
岸田氏は共同記者発表で、「ウクライナの政府と国民を全力で支えていくことが両国の共通の責務であることを確認した」と強調。「日本とイタリアは前例のない強力な対ロ制裁を実施するとともに、ウクライナ支援を強化する」とも述べた。
岸田氏は、先に訪れたベトナムがウクライナへの人道支援を表明したことなど、東南アジア3カ国歴訪の成果を説明したのに対し、ドラギ氏は日本の取り組みを評価した。両首脳は「力による一方的な現状変更は世界のどこであれ認められない」との認識で一致した。
岸田氏は欧州連合(EU)がインド太平洋地域への関与を強めていることを評価。ドラギ氏に対し「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けた連携を呼び掛けた。両首脳は4日に弾道ミサイルを発射した北朝鮮の動向について意見を交わし、国際社会の緊密な連携が重要との認識で一致した。
両首脳の会談は、電話を含めこれが初めて。日本の首相によるイタリア訪問は2019年4月以来。
時事通信