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韓国の文大統領、退任演説で北朝鮮との平和を呼びかけ

2022年5月9日、韓国ソウルの大統領府である青瓦台で退任演説を行う韓国の文在寅大統領。
2022年5月9日、韓国ソウルの大統領府である青瓦台で退任演説を行う韓国の文在寅大統領。
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09 May 2022 03:05:40 GMT9
09 May 2022 03:05:40 GMT9

退任する韓国リベラル派の文大統領が、自身の北朝鮮への関与政策を擁護し、朝鮮半島の平和と非核化を回復するための努力が続くことを願う、と月曜日の退任演説で述べた。

文在寅大統領は、1期5年の任期を終え、火曜日に大統領としての権力と責務を保守派の尹錫悦氏に譲る。尹氏は、文大統領が北朝鮮に「従順」であると非難し、北朝鮮の核開発に対してより厳しい姿勢を取ることを約束している。

「平和は我々の生存と繁栄の条件だ。南北間の対話を再開し、非核化と平和を確立するための努力が継続されることを切に願う」と文大統領は全国放映された演説で述べた。

文大統領は、ライバル関係にある南北のさらなる和解を望むハト派であるが、2017年に就任した際には、北朝鮮が核・ミサイル実験を繰り返しているために外交的に変化をもたらす余地はほとんどないと考えていた。しかし、2018年初めに北朝鮮の金正恩総書記が突然ソウルとワシントンに接触し、進行中の核兵器の今後について協議しようとしたことで、文大統領は最終的に北朝鮮と和解する機会をつかんだ。

金総書記はまず、文大統領との会談のため、影響力を持つ妹を韓国に派遣した。これは、2018年2月に韓国で開催された冬季オリンピックの開会式に出席させるためでもあった。両国の首脳はその後、2018年に首脳会談を3回行い、国境の緊張を緩和する措置を取るとともに、歌手やバスケットボールチームなどが参加する、めったに行われることのない交流プログラムを許可した。また、文大統領は、金総書記とドナルド・トランプ米大統領(当時)の間で、現在は停滞している核外交の仲介を懸命に働きかけた。

しかし、2019年に米朝外交が崩壊した後、文大統領は、自身の関与政策が米国主導の北朝鮮への制裁・圧力キャンペーンに逆らって北朝鮮の時間稼ぎと核兵器開発の完成を助けることにしかならなかった、という辛辣な批判に直面した。

北朝鮮は結局、文大統領に対して北朝鮮と米国との取引に干渉しないよう求め、大統領に粗野な侮辱を浴びせた。

文大統領は最後の演説で、自身の政権が朝鮮半島での戦争の危機を和らげ、外交を通じて平和への希望をもたらすことに貢献した、と主張した。

「さらに推し進めることができなかった理由は、努力や決意が足りなかったからではない。決意だけでは乗り越えられない壁があったのだ。克服しなければならない障害だ」と文大統領は述べ、その障害が何であるかは明言しなかった。

先月、文大統領と金総書記は、二国間関係の改善への希望を表明する最後の公式文書を交わした。しかし、北朝鮮はこの書簡で、退任後も文大統領が朝鮮半島統一のための運動を続けると誓ったことを強調しており、一部の専門家はその言い回しが、韓国の世論を分裂させ、韓国の新政府が北朝鮮に対して強硬姿勢を取るのを阻止する意図を反映している、と話す。

手紙のやり取りが発表された3日後、平壌で大規模な軍事パレードが行われる中、金正恩総書記は核兵器の開発を加速させることを公言し、挑発されれば積極的に使用すると脅した。ここ数ヶ月、北朝鮮軍は韓国や日本、米国本土を狙うミサイルの発射実験を相次いで行っている。

金総書記の狙いは、次期尹政権を動揺させる一方で、兵器を近代化し、バイデン政権に圧力をかけて制裁を緩和させることにあると述べる専門家もいる。韓国当局者は、北朝鮮は2017年以来となる核実験の準備も進めているようだ、と話している。

AP

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