Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 日本
  • コロナ感染状況の改善に伴い、日本が海外からの観光客受け入れへ

コロナ感染状況の改善に伴い、日本が海外からの観光客受け入れへ

銀座の街を歩く人々。2022年6月26日、東京。(AFP)
銀座の街を歩く人々。2022年6月26日、東京。(AFP)
Short Url:
28 Jun 2022 01:06:11 GMT9
28 Jun 2022 01:06:11 GMT9

東京:東京の人力車夫は英語を話せるスタッフを追加している。日本が海外からの観光客の戻りに備えている確かな兆しだ

新型コロナ感染拡大抑制のための日本の入国制限が、今月から徐々に緩和され始めた。
これは、浅草(寺や古風な食事処や人力車で有名な東京の旧市街)にある着物レンタル店「大吉」の大友雄介店長にとっては良いニュースだ。彼は興奮を抑えきれない。

「大変な3年間でしたが、何とか今日まで持ちこたえました。大変だった時期の後なので、海外からのお客様がついに戻ってくると考えるだけでとてもワクワクします」と彼はAP通信に語る。

「コロナ前のように、私の店や、浅草の街や、皆さんの心が、また元気になれるのではと思っています。待ちきれません」

パンデミック前の浅草は外国人で溢れ、日本人より多い時もあった。コロナ禍になると街は閑散とした。

「人っ子一人いませんでした」と彼は悲しげに言う。

いくつかの着物レンタル店が店をたたんだ。飲食店は休業した。

地域の新型コロナ制限として、飲食店の時短営業、ソーシャルディスタンス、イベントの参加人数制限などが要請された。制限が徐々に緩和されるにつれ、人出がやっと戻って来ている。しかし来ているのはほとんど日本人だ。

東京の繁華街にある日本酒と焼酎のショールーム「日本の酒情報館」の今田周三館長は、とても寂しく思っていると言い、日本の伝統的な米のワインをチーズや牛肉などあらゆる種類の海外の食べ物と合わせる方法を外国人観光客に教えるのが待ちきれないと語る。

「ある意味やることがあまりなくて、ただ待つしかありませんでした。でも今や門は再び開きました」と彼は言う。

しかし彼は、観光客を待ち望む他の人たちと同様に、団体ツアー客限定の入国では実際のところ情報館をゆっくりと楽しんでもらう時間の余裕が無いかもしれないことを認める。
訪日観光客は、添乗員の同行、特定のルートの遵守、マスク着用や定期的な消毒などのルールを含むガイドラインに従わなければならない。

コロナ前は、世界3位の日本経済にとっての柱である観光業は活況を呈していた。外国人観光客数は2019年には過去最高の3200万人を記録し、2020年の目標は4000万人だった。コロナ禍になると、政府は徐々に外国人の入国に対して非常に厳しい制限を課し、一時は多くの在日外国人を締め出した。

6月10日の時点で、政府は外国人観光客の入国を許可しているが、人数に制限があり、また個人旅行客ではない団体ツアー客に限られている。

通常はビザなし入国が可能な国から来る人も含め、ほとんど全員にビザが必要とされる。そしてビザを取得可能なのは、米国を含む98ヶ国のいわゆる「青」区分の国からの観光客に限られる。これらの国からの観光客は感染リスクが最も低いと見なされており、出国前72時間以内の新型コロナ陰性の検査証明書があれば検疫措置なしで入国できる。

よりリスクが高いとされる国からの入国者は、自宅あるいは政府が指定する施設での3日間待機を求められる。全ての旅行者を含む入国者数には1日2万人という上限がある。外国人観光客を受け入れる空港の数は徐々に増えている。

新型コロナに対する不安は残る。感染者数増加の波が再び来れば、パンデミック対策が復活する可能性がある。

人口過密な島国である日本は、外からのリスクや感染症に対し用心深い。外国人観光客がほとんど来なかった約2年間が終わった今、日本人は適応しなければならないと、大友店長らは言う。

そして当局は慎重に事を進めている。

「マスク着用や衛生基準などのルールを私を含む全員が守れるのであれば、海外からの観光客には是非来てもらいたいと思います」と、愛知から東京に来ていた岩瀬みなほさんは言う。

個人旅行が制限されているため多くの観光客が二の足を踏むかもしれないが、気にしていない人もいるようだ。

「友達から今回の日本旅行に誘われた時、すぐに『行く』と答えました。日本には以前にも来たことがあります。日本の食べ物、伝統、高度な文化が大好きです。素晴らしい国です」と、先週のバンコクからのフライトを心待ちにしていたタイ人8人のグループに加わった会社員のソラセク・トゥアンタウィーさんは言う。

この一行は、タイの旅行代理店コンパックス・ワールドが手がける制限緩和以降初めての日本へのツアーで来ていた。そのガイドを務めるヌッタヴット・ミツモトさんは、「100%は開いていない」にもかかわらず日本は人気の観光地だと言う。

今年になって米ドルや他の通貨に対し円安が進んでおり、日本旅行がある種のバーゲンになっている。

金融商品比較の無料オンラインサービスMoney.co.ukが先月実施した調査では、ミシュラン星付きレストランや5つ星ホテルを含む「豪華旅行」を最も手頃な価格で楽しめる都市として、大阪が4位、東京が8位に入った。

浅草に戻ろう。人力車夫の片山舜平さんは、コロナ後の外国人観光客をまだ乗せていない。それでも、英語を話せる車夫が仕事に復帰してきている。そして今は、東京外からの日本人観光客のおかげで彼は忙しくしている。

「グアムとかの海外の観光地に行けない日本人が渋谷や浅草に来ています」と彼は言う。
大友店長は最近、東京で友人の結婚式に出席するためにカラフルな着物を着た日本人の母と娘の写真を撮影した。

かつてはよく彼の店を訪れていた外国人常連客たちは、侍や忍者や芸者の衣装を着て、刀を持ったり髪飾りを着けたりするのをとても楽しんでいた。国籍に関係なくすぐに友達になる人たちもいた。大友店長は少し感傷的に思い出す。

「彼らが幸せなら私も幸せです。彼らを見ているとアドレナリンが出ます」と彼は言う。

AP

特に人気
オススメ

return to top