


東京:東京東部の中学校で栄養士をしている佐藤 カズミさんのもとには、食材値上げの通知が数ヶ月前から届いていた。
生徒の家庭が経済的に苦しいことを考えると、給食費の負担を増やしたくないというのが、自治体の意向である。そのため、千寿青葉中学校の調理室では、予算内で給食が提供できるよう常にレシピを工夫している。
「月に1、2回は季節の果物を取り入れるようにしていますが、頻繁にというのは難しいですね」と、彼女は学校でロイターに語った。
佐藤さんは、日本では値段の高い新鮮な果物を、ゼリーや手作りケーキで代用しているという。可能な限り安価なもやしをたくさん使うようにしているが、このまま物価が上昇するとネタが尽きてしまうのではないかと心配している。
「子どもたちが寂しいと感じるような食事でがっかりさせたくないんです」と彼女は言った。
インフレは、物価の急上昇に慣れていない日本ではますます政治的な問題になってきており、多くの家庭が負担を感じている。
学校にとって、食品価格の高騰は、日本の低所得世帯の重要な生活必需品に影響を及ぼしている。
佐藤さんによると、最近では食用油の缶詰(18リットル)が1年前より1750円も高くなり、玉ねぎの値段も2倍になっているそうだ。政府は公立学校に厳しい栄養基準を課しているため、学校が給食費の値上げを余儀なくされないために、栄養士ができることは限られている。
当局は、貧しい家庭が家庭で栄養のある食事をとりづらくなることを懸念しており、このような事態を避けたいと考えている。夏休みから学校に戻ってくる子どもたちの中には、目に見えてやせている子もいると、教育関係者や公的機関は言う。
東京の足立区では、公立中学校の給食費は334円で、そのうち303円を家庭が負担している。
国は4月、救済策の一環として、給食費の高騰を学校側が負担するための資金を提供すると発表した。足立区は、その資金と独自の予算を使い、家庭への負担を回避する計画だ。
しかし、佐藤さんは、エネルギーや食料の価格が、特に割り当てられた資金が底をつき始める学年末にかけてさらに上昇することを心配している。
「今年は梅雨明けが早かったので、野菜に大きな影響が出るかもしれませんね。秋以降の物価がどうなるか心配です」と彼女は話す。
ロイター