参院選の遊説中に銃撃を受けて亡くなった自民党の安倍晋三元首相の通夜が11日夜、東京・芝公園の増上寺でしめやかに営まれた。喪主は妻の昭恵さん。岸田文雄首相や自民党の麻生太郎副総裁らが参列し、歴代最長の政権を築き上げた安倍氏との別れを惜しんだ。
海外からは日米財務相会談のため来日したイエレン財務長官が、エマニュエル駐日大使とともに訪れた。
通夜は近親者のみで家族葬として執り行われたが、国会議員らの焼香は受け入れた。安倍政権を官房長官として支えた菅義偉前首相、党総裁の座を争った石破茂元幹事長も姿を見せた。
参列者によると、遺影の安倍氏はノーネクタイのワイシャツ姿で笑顔だった。会場内では安倍氏のピアノ伴奏で昭恵さんが歌う様子などの映像が流れ、涙を浮かべる人もいたという。
葬儀は12日午後に増上寺で開かれる。後日、地元の山口県と東京でお別れの会を開催する予定だ。
安倍氏は8日昼前、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で演説していた際に銃撃された。病院に搬送されたが、同日夕に死亡が確認された。首相経験者が選挙期間中に殺害される戦後例のない事件として内外に衝撃を与えた。
時事通信