
政府は20日、参院選の遊説中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相の「国葬」について、9月27日に日本武道館(東京都千代田区)で行う方向で最終調整に入った。複数の政府関係者が明らかにした。22日にも閣議決定する。戦後の首相経験者の国葬は1967年の吉田茂氏に続き2例目となる。
松野博一官房長官は20日の記者会見で、国葬の日時・場所について「遺族をはじめ関係者と調整を行っている」と述べるにとどめた。野党が「政治的評価の強制につながる」などと批判していることに対しては、「安倍氏は憲政史上最長の8年8カ月にわたり首相の重責を担った。指摘は当たらない」と反論した。
首相経験者の葬儀は80年の大平正芳氏以降、「内閣・自民党合同葬」の形式が主流になっていた。安倍氏の葬儀を55年ぶりの国葬とすることは、岸田文雄首相が14日の記者会見で発表。「わが国は暴力に屈せず、民主主義を断固守り抜くという決意を示す」と強調していた。
国葬には、世界各国から多くの弔問団の参列が見込まれ、費用は全額国費で賄われる。
時事通信