• 日本の参加の背景には、インド太平洋地域で自己主張を強める中国への対抗努力を強化したい米国と地域の同盟諸国の思惑がある

東京：日本の岸田文雄首相は水曜日、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領との会談後、来月インドネシアで実施され米国とオーストラリアも参加する軍事演習に日本の自衛隊が初参加すると発表した。

日本の参加の背景には、インド太平洋地域で自己主張を強める中国への対抗努力を強化したい米国と地域の同盟諸国の思惑がある。

近年の日本は「自由で開かれたインド太平洋」の維持を外交において重視しており、岸田首相は今年インドネシアを含む同地域を訪問した。

ジョコウィ大統領（ジョコ・ウィドド大統領の通称）は岸田首相との会談の前日、習近平主席との会談のために珍しく中国を訪問し、貿易規模拡大と、農業や食料安全保障などの分野における協力拡大を約束した。

岸田首相は会談後の記者会見で、「インドネシアは基本的な価値観や戦略目標を我が国と共有している戦略的パートナーだ」と述べた。

また、8月1日からインドネシアで実施され米国とオーストラリアも参加する合同軍事演習「ガルーダシールド」に日本の自衛隊が参加すると発表した。日本は初参加となる。

通常はインドネシアと米国によって毎年実施されているこの軍事演習は、これまでより「大幅に範囲と規模を広げて」実施されると米国は発表している。

岸田首相は、日本がインドネシア政府にインフラプロジェクトや防災のために436億円（3億1800万ドル）の借款を供与することも発表した。エネルギーなどの分野においても協力するという。

ジョコウィ大統領は発言の中で、両国関係の実務的な側面を強調し、インドネシアと日本の経済提携協定の修正に今年中に調印することで両国が合意したと述べたが、詳細は明らかにしなかった。

2007年に締結された同協定の再交渉は、日本市場への参入拡大と関税引き下げを目指している。

ジョコウィ大統領は、「マグロ、バナナ、パイナップルなどの関税引き下げやマンゴーの市場参入を支持するよう日本に求めている」と述べた。

リフィニティブがまとめたIMFのデータによると、2020年のインドネシアの日本からの輸入額は92億ドル、日本への輸出額は145億ドルだった。

インドネシア経済省は水曜日、日本の自動車メーカーのトヨタ自動車が電気自動車生産のためにインドネシアに今後5年間で27兆1000億ルピア（18億ドル）を投資する計画を発表した。

また、インドネシア経済担当相は火曜日、三菱自動車がインドネシアに2002~2025年にかけて約10兆ルピアを投資する計画を発表した。

ジョコウィ大統領は水曜日に天皇陛下と面会する予定。

ロイター