今年第2四半期の日本経済は、新型コロナウイルス関連の規制緩和を背景に、個人消費および企業支出が増加し、当初の予想を上回る伸びとなった。
このため、世界経済の減速やエネルギー価格の高騰などの懸念が先行きを不透明にしているものの、日本経済は今年第2四半期(4-6月期)に3期連続のプラス成長となった。
世界第3位の経済大国である日本の第2四半期の国内総生産(GDP)は年率換算3.5%増となり、速報値の年率2.2%増を上回ったことが、8日に発表された政府統計で明らかになった。
今回発表された数値は、市場予測(中央値)の2.9%を上回っており、前四半期比では実質0.9%の増加となった。
農林中金総合研究所のチーフエコノミストである南武志氏は、「米国や中国に比べて相対的に高い経済成長を達成し、第2四半期には回復基調にある」と述べた。
「ただ、この勢いが続くのは難しいかもしれない。世界経済はあらゆる面で不確実性に直面しており、物価上昇により国内での消費も抑えられている」
この増加は、第1四半期に政府がパンデミック関連の活動抑制策を解除した後、内需が小幅に回復したことを示唆している。
これは、設備投資が持ち直したことと、自動車などの在庫の減少幅が縮小したことが成長の一因であることがデータとして示されたものだ。
また、GDPの半分以上を占める個人消費は1.2%増となり、当初予想の1.1%増から上方修正されたこともデータにより明らかになった。
設備投資は2.0%増で、これも速報値の1.4%増から修正され、市場予想の中央値である1.8%増を上回った。これは主にソフトウェア部門の投資強化が要因となっている。
修正後のGDP成長率に対し、内需は全体で0.8%ポイント、純輸出は0.1%ポイント、それぞれプラス寄与した。
日本は消費回復が遅れているため、コロナ禍の影響を払しょくするという点では他の主要経済国に遅れをとっている。その一因としては、高齢化した消費者が、新型コロナウイルス感染に対する懸念から、外食や旅行などのサービスへの出費を控えたことが挙げられる。
日本の超金融緩和政策は、世界的な利上げの波とは対照的となっており、急激な円安を招き、政策立案者による見通しを複雑なものにしている。
日本の円は、ここ6ヵ月間に対米ドルで約20%下落した。これにより輸入品のコストが押し上げられており、各世帯が今後、商品に対しより多くの出費を余儀なくされる見通しが強まっている。
ロイター