最近の急速な円安により貿易赤字が過去最大となった統計を受けて、単独介入を通じて日本が一方的に円の急落を食い止めようとしてもあまり効果がないだろうと、日本の与党幹部が警告した。
木曜日、日本円は米ドルに対して24年ぶりの安値となった。最近の円の急激な下落を懸念し、市場介入を準備する意図を当局がこれまで以上に明確に示した翌日である。
介入可能性のニュースを受けた水曜日、円は対ドルで急上昇し、約 0.3% 低い 1 ドル= 143.62 前後で取引された。
与党自民党(LDP)金融調査会長の片山さつき氏は、円安に有効な手立てが日本にはなく、単独介入はあまり効果がないだろうと述べた。
水曜日の取材で片山氏は、日米間の金利差に起因する円の急落を食い止める上で、「単独通貨介入はあまり効果がはないだろう」とロイターに語った。
米国などで高インフレが続く中、連邦準備制度理事会(FRB)が大幅な利上げを余儀なくされ結果、ドルの競争優位制は大きく上がり、円を含む世界の主要通貨に対して猛烈な反発を引き起こした。
元財務省 (MOF)職員で金融市場についての見識が広い片山氏は、銀行の融資残高が550兆円(3兆8400億ドル)に上る日本では、超低金利を引き上げることも難しいだろうと述べた。
野党・国民民主党の玉木雄一郎代表も同じ考えだ。利上げが経済に与える影響は良いものよりも悪いものの方が多いと述べ、代わりに財政支援の強化を求めた。
日本銀行は水曜日、円安緩和の準備をしていると見られる銀行などとレートチェックを実施した。これを受けて円は 1% 以上上昇し、急激な下落に対する警戒感が浮き彫りになった。
弱まる通貨
歴史的に、日本政府は輸出競争力の向上のために通貨安を支持してきたが、現在では、食品や外食、光熱費や交通費に至るまで、あらゆるもののコストに影響を及ぼすインフレを懸念している。
アナリストらは、日本の円買い介入に対して他のG7諸国からの同意を得るのが難しい可能性があるため、レートチェックは一時的な円安の歯止めにしかならないだろうと述べた。
他のアジア経済圏諸国も、自国通貨安によるリスクに注意を向けている。
韓国では、約 13 年半ぶりの安値を記録したウォンの下落を抑えるため、同国の外国為替当局がドルを売る動きが見られた。
これとは別に、木曜日、8 月の貿易赤字が1 か月間で過去最大の 197 億ドルに達したという統計が発表された。年初から約20% の円の下落に続く打撃である。
三井住友信託銀行の市場ストラテジストである世良綾子氏は、円安は、物価上昇で圧迫されている家計に特に打撃を与えたと述べた。
世良氏は、「円安が日本全体の状況に与える良い影響と悪い影響を比較すると、明らかに悪い方が多い」と述べた。
取引統計によると、平均為替レートは 1 ドル 135.08 円で、ドルは対円で 前年比22.9% 上昇している。
ロイター