
岸田文雄政権の政策によって今後5年間で防衛費支出は現在の2倍となり、GDP比約2%に達する
日露関係は太平洋の島々に関する未解決の領土問題のため、長きにわたり低調な状態が続いている
ロシア政府は22日、岸田首相が先週発表した、今後5年間で約3200億ドルの防衛費を支出するという計画に対し、日本が何十年もの間保持してきた平和主義を放棄し、「抑制のきかない軍事化」を推進することになるとして非難した。
「今回の決定は、日本政府が攻撃能力の確保を含む前例のない軍事力強化への道に乗り出したとはっきりとみなすことができる」と、ロシア外務省は声明で発表した。
岸田首相の計画により、日本の防衛費は今後5年間でGDP比約2%へと倍増し、日本は米国、中国に次ぐ世界第3位の防衛費支出国となる見通しだ。
この方針は、ロシアのウクライナ侵攻が先例となって、中国が台湾を攻撃することを助長する事態への日本政府の危惧を示すものだ。
「防衛費支出の大幅拡大は、日本の先代の政治家が一貫して宣言してきた平和主義的発展の岸田政権による明確な否定であり、抑制のきかない軍事化への回帰を示すものだ」とロシア外務省は述べた。
同外務省はまた、そうした日本の政策によって「安全保障上の新たな課題が誘発されることは避けられず、アジア・太平洋地域における緊張が高まることになる」とした。
ロシア外務省はさらに、「卓越しているとはとても言えない日本経済と、同国家予算の構造的不均衡の増大」にも関わらず防衛費の拡大が行われるとして非難を強めた。
日露関係は、第二次大戦末期にソ連軍が占領した太平洋の島々に関する未解決の領土問題により、長く低調な状態が続いてきた。
今年2月にロシアがウクライナを軍事侵攻し、日本がG7諸国に加わりロシア政府に制裁を科したことで、両国関係はさらに悪化した。
ロイター