
岸田文雄首相は9日未明、欧米歴訪のため政府専用機で羽田空港を出発した。
5月に広島市で開く先進7カ国首脳会議(G7サミット)を見据え、G7のうち5カ国の首脳と個別に会談して協調を確認。就任後初めて米ワシントンを訪れ、13日にバイデン大統領と会談する。15日に帰国する。
出発に先立ち、首相は8日夜、公邸で記者団に「G7各国と胸襟を開いて個人的な信頼関係をより深める率直な議論をしたい。
法の支配、ルールに基づく国際秩序を守り抜くという基本姿勢を確認することが重要だ」と語った。
日米首脳会談で、首相は国家安全保障戦略など安保関連3文書の改定を伝え、バイデン氏の「全面的な支持」を得たい意向だ。
防衛費増額の方針も説明し、日米同盟の深化を内外にアピールする。
覇権主義的行動を強める中国を念頭に、「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けた連携や、台湾海峡の平和と安定の重要性も確認。
弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への対応も協議する。
訪米に先立ち、首相は9~12日にフランス、イタリア、英国、カナダを相次いで訪問。G7サミットに向けて協力を要請し、各国首脳との信頼関係を築きたい考えだ。
ロシアへの制裁やウクライナ支援で連携を申し合わせるとともに、東アジア情勢についても認識の共有を目指す。
時事通信