
パリ時事: 岸田文雄首相は9日午後(日本時間10日午前)、フランスのマクロン大統領とパリのエリゼ宮(大統領府)で会談した。首相は5月に広島市で開く先進7カ国首脳会議(G7サミット)に関し、ロシアや中国の動きを念頭に「自由で開かれた国際秩序を堅持するG7の強い決意を示す」と表明。大統領は「成功に向けて積極的に連携したい」と同調した。
首相は広島サミットで議長を務める。日仏首脳会談で、ロシアのウクライナ侵攻や中国による東・南シナ海での威圧的行動を踏まえ、「力による一方的な現状変更の試みや核兵器による威嚇、その使用を断固として拒否する」と強調。「G7として結束し、厳しい対ロ制裁と強力なウクライナ支援を継続・強化する」と述べ、「インド太平洋についてしっかり議論したい」とも伝えた。
大統領は、会談に先立つ共同記者発表で「今年は特に日本の責任が多大だ」と述べ、首相の指導力に期待を表明した。
◇共同訓練を推進
フランスは南太平洋に領土を有しており、首相は会談で「欧州とインド太平洋の安全保障は不可分だ」と指摘。両首脳は、自衛隊と仏軍の相互往来や共同訓練など安保面の協力推進を確認した。外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)の今年前半開催を目指すことでも一致した。
また、「台湾海峡の平和と安定の重要性」を確認。国連安全保障理事会の改革を含む国連の機能強化を申し合わせた。
2国間関係では、2019年に発表した協力深化のロードマップ(工程表)改定で合意。首相は、欧州連合(EU)による日本産食品の輸入規制撤廃を求めた。
◇日仏首脳会談ポイント
一、G7広島サミットで連携
一、中ロ念頭に国際秩序堅持
一、対ロ制裁、ウクライナ支援を強化
一、共同訓練など安保協力推進
一、今年前半に2プラス2
時事通信