
政府は4日、性的少数者(LGBTなど)や同性婚を巡り差別発言をした経済産業省出身の荒井勝喜首相秘書官(55)を同日付で更迭する人事を発表した。後任には、同省秘書課長の伊藤禎則氏(51)を充てた。首相秘書官が失言で更迭されるのは異例。内閣支持率が低迷する岸田政権の打撃となるのは必至だ。
岸田文雄首相は福井県坂井市で記者団に、荒井氏から辞職の申し出があったとした上で、「大変深刻に受け止めており、職務を解く判断をした」と説明。荒井氏の発言については「多様性を尊重し、包摂的な社会を実現する内閣の考え方には全くそぐわず、言語道断だ」と改めて指摘した。
伊藤氏は1994年に旧通商産業省(現経産省)に入省。経産相秘書官などを歴任し、2022年2月から同省秘書課長を務めている。首相秘書官は国会答弁の準備や首相の演説原稿づくりを担う。経産省出身秘書官は通例、報道対応も担当する。
荒井氏は3日夜、首相官邸で記者団のオフレコの取材に、性的少数者や同性婚に関し「見るのも嫌だ。隣に住んでいたらやっぱり嫌だ」などと発言。首相は4日朝、公邸で記者団に更迭する意向を示した。
時事通信